2024.03.18
スタッフブログ
今井町の家を見にいらしてください
設計の阿部です。
橿原市今井町の家が完成し、修景にかかる道路面の外観について橿原市の検査を受けました。検査担当の方からは「現代の住まいと昔の景観をどのように折り合いをつけていくか、様々なケースに一貫した見解をするために日々努力している。」と心の葛藤をお聞かせいただきました。今目の前にいる人(お客様)だけではなく、昔から守られているもの(様式やスタイル)も大事にする、ということの意義や大切さを学ぶことができた現場でした。
正面の3種類の格子にはそれぞれ「みせおく」「みせのま」「しもみせ」と呼称され意味があります。意味がある上で格子の幅や高さが決められています。もはやこの住宅は店ではなく住宅ですので、その意味はなくカタチだけが残ってるということになりますが、町全体の雰囲気を守るためには意味がある、ということだと理解しています。
外壁のしっくいの仕様や板部分としっくいのバランスなど、橿原市の担当の方とは「実際にできてみないと判断しづらい」と言われつつも打ち合わせを重ねて完成に至り、納得してくださる仕上がりになりました。敷地の西側と北側には、まだ建物はありませんが、今回新築させていただいた建物を基準に高さや仕様が揃えられていくだろうとのことです。
また、今回景観に配慮した外観をつくるにあたっては、大工さん、左官屋さん、建具屋さんなどいろいろな職人さんの技がなければ実現できなかった部分がほとんどです。様式やスタイルだけではなく技も引き継いでいくということが大切であることも実感しました。
そのような葛藤の中でつくられた今井町の家、多くのみなさまにも見に来ていただきたいと思います。ぜひ今週末の見学会にいらしてください!
「吉野の木を伝統技法で建てる工務店」輪和建設株式会社では、永く健やかな暮らしを求め、自然素材にこだわった奈良の木の家づくりをしています。
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