2022.03.16
お客様インタビュー
Shanti Yoga Nara インストラクター chisatoさん

ご自宅を新築させていただいたご縁のあるShanti Yoga Naraのchisatoさん。
わのわだよりのコラムにて生活と共にあるヨガを通した“気づき”を発信していただいています。
-ヨガを始めたきっかけを教えてください。
一番最初は体を動かしたいという気軽な気持ちでした。
真剣にやり始めたのは長男が小学校に上がり、育児が一段落した5年前くらいです。
長男の出産後、育児にいっぱいいっぱいになっていた時期、その後家づくりに没頭していた時期もありましたが、自分に余裕が出来た時にヨガが戻ってきてくれたという感じです。
-インストラクターを志したのは?
本格的に習いだしたときの先生がとてもステキで、教えたいという気持ちを持つようになりました。知人に“周りに助けられながらやっている姿が想像できる”と言われたことが後押しになり、完璧でなくても、共に学びあうスタイルの先生がいてもいいかもしれない、と半ば思いつきに近い形で勉強することにしました。
最初の先生とは別に養成講座にも通い、インド人の先生から“ヨガ哲学”についても学びました。アーサナ(座法)と呼ばれるヨガのポーズは、長時間静かに座っていられる体づくりのためのもので、最終的には瞑想に行きつきます。心を整え、本当の自分を見つけていく。単なるエクササイズではなく、“心”がついてくるというところがとても腑に落ちました。
-ヨガにもいろいろな種類がありますがどんなヨガを教えられていますか?
私が教えているのはハタヨガという古典的なヨガのひとつで、現代の多くのヨガ流派の基本となるヨガです。
“ハ(太陽・吸う息)”と“タ(月・吐く息)”を結ぶ(ヨガ)という意味があり、陽と陰、右と左、男と女、心と体など相反するものを対立させるのではなく、お互いを結び付け、バランスをうまく取って調和させていくことを目指します。
実際のヨガクラスでは、力強い動き(ハ)とリラックス(タ)を繰り返し行います。体を伸ばしたら次は丸める反対の動作を入れたり、体の右側をほぐしたら左側もほぐしたりします。
心と体もつながっていて、マットの上でのバランスが身についたら人生で起こった問題にも対応できるようになると教わりました。
-ヨガのポーズは初心者には難しいイメージがあります。
体が硬かったり、痛い箇所があったりでポーズが出来ないケースもありますが、そういう方には、手が届かなくても同じ効果が得られる軽減ポーズに変える手法もあります。
ストレッチとの一番の違いは呼吸で、呼吸を味方につけると体も柔らかくなってきます。
先に吸う吸呼(きゅうこ)ではなく先に吐く呼吸(こきゅう)であることが大切で、まず息を長く吐くことから始めます。余分なものを出していくイメージをもって呼吸をするだけで気持ちのいいものです。
難解なポーズもありますが、体が動かない日は呼吸の練習をするだけでもよいのです。人のポーズと比べる必要もありません。呼吸を使って今の自分に出来ないことに少しずつ向き合っていく行為がヨガなのです。
-ヨガを通してどんなことを伝えたいですか?
ヨガで健康になることは道の途中であって、最終目標ではないんです。ポーズが出来て終わり、ではなく、本当の自分は何か人生を通して自分を磨いていく。そのための知恵がヨガ哲学にはあります。その点では、茶道や武道などと通ずる部分があると思います。
どこか痛みのある方に元気に過ごしましょうと言っても難しいので、最初は痛みを軽減するところから入りますが、自分の体に向き合ってメンテナンスしていくと、いろいろなことに気づくようになってきます。皆さん体が疲れていると思って来られますが、実は頭が疲れていたりするんですよ。
マットの上ですることだけがヨガではなく、しんどくなった時にちょっと前屈してみるとか、仕事帰りの電車で吊革を持ちながら呼吸に目を向けてみるとか、日常生活の中にも取り入れることが出来ます。
私のところに来なくても、いずれ生徒さん自身で落ち込んだり疲れたりした時の「自分のトリセツ」をみつけて、自分で自分の機嫌を取ることができるようになったらいいなと思いながらレッスンしています。
-今後の目標はありますか?
具体的な目標は特に意識していません。
今日一日に焦点を当てて過ごしていることと、目標をうちたててそこに向かうというよりは、必要な時に向こうからやってくるとゆだねる気持ちの方が強いです。
目の前にきたものをつかんでつかんで今の自分があります。産後の落ち込んでいたときの自分も今の私には必要なことだったと思います。
強いて言うなら、奥深いヨガをもっと知りたい、学びたいと思っています。
そしてヨガを伝えることで誰かの役に立ちたい、助けが必要な時にすぐに行ける自分でありたいと思っています。
自分が楽に暮らして心が平和であれば周りも幸せになれると思っているので、やりたいことをやって幸せな気持ちで死んでいきたいと思っています。(笑)