古民家再生 江戸時代の古民家を引き継ぎ住まう
江戸時代に建てられたご実家を引き継ぐ
関東でお仕事をされていて定年退職されたご主人が、幼少期を過ごしたご実家を住み継ぐため、奈良に帰ってこられることになりました。江戸時代に建てられたご実家は、思い入れ深い一方で、蔵が傾いていたり、暗かったり、これから住まうにあたって改善しなくてはいけない問題をいくつか抱えていました。
傾いていた蔵は解体し、蔵がなくなったことから母屋に通風や採光をのぞめるようになり、蔵に繋がる通路だった部分と和室を3部屋つなげて、大きくLDK空間に間取りを変更をし、奥様ご希望の対面キッチンも実現しました。
施工前
施工後
旧家の趣を活かし、大きな梁や母屋を見せて天井をできるだけ高くとり、多くの建具はそのままの位置で再利用したり位置を変えて再利用しています。また、光が入りづらい奥の部屋部分には、屋根にガラス瓦を入れて天井から光を取り入れ、暗さ問題を解消しました。ご主人念願の薪ストーブは、寒い冬には大活躍しています。
玄関は新旧がまじりあう空間に
玄関から入って正面は、今回改装したLDKにつながります。一方で左側の仏間を含む和室2間は手を加えずそのままに残しています。新しく改装したLDKへとつながる戸は格子引違い戸を新調し、玄関土間には式台を新設して段差を解消しています。式台や建具はできたての白く明るい無垢の木の色で、その新しさがよくわかります。この白い色も年月が経つにつれあめ色に変化しますが、同じ木の素材同士。うまく調和します。
施工前
施工後
門屋は車の出入りを考慮して改造
軽トラックがギリギリに通れる幅だった門屋は、普通車がスムーズに出入りできるように、梁をかけかえて補強し、間口幅を広げました。昔は車の出入りなど考えていなかったことかと思いますが、今の生活に合った改造もこれから永く住まう上で必要です。
施工前
施工後
蔵の思い出を残す
傾いてもう再生はあきらめたのですが、ご主人にとっては家の思い出の一部。ここに蔵があったことを大切に語り継ぎたいという思いから、その証として、蔵の基礎部分を残しました。ウッドデッキを貼っていますが、この木材も解体した蔵の木材を再利用しています。
「吉野の木を伝統技法で建てる工務店」輪和建設株式会社では、永く健やかな暮らしを求め、自然素材にこだわった奈良の木の家づくりをしています。
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