新築 伝統工法の木組みの家 大和高田市
木の魅力を最大限に生かし強度と意匠性を併せ持つ家
築50年以上の離れを解体し、新たな次世代の住まいとして建てられたお家です。
奥様のお父様から、天然乾燥材と手刻みを行っている会社ということで、弊社に問い合わいただき、
お話ししていく中で設計には、建築家の松本昌義氏をと伺い驚きました。
松本氏は、弊社スタッフが学んでいた木の家づくりの講師だったのです。
様々なご縁が重なり弊社にご依頼いただく運びとなりました。
松本氏は遠方なため、弊社との共同設計という形で計画が始まりました。
木造軸組みの住宅には日本古来の伝統工法と近年の在来工法があります。
今回は、伝統工法の木組みでの家づくりをさせていただきました。
神社仏閣などに見られるこの工法では、金物に頼らず、熟練職人が柱や梁を手刻みし、熟練の技術で組み上げて強い骨組みをつくります。
木材を多く使い、継ぎ方も複雑なため、その建築には伝統工法への理解と匠の技が求められます。
また、使用する木材はすべて天然乾燥材でなければなりません。
天然乾燥の吉野杉を使い、大工による墨付け手刻み加工で、金物を使わずに一本一本組み上げられた構造体は、
筋交いで支える家と性質が異なり、地震発生時には木組みそのものも粘り強く家を守り続ける住宅です。
上棟の様子↓
複雑な仕口を一本一本刻み、木材を何層にも重ねながら組上げ、「差鴨居」や「貫(ぬき)」など、
水平部材を多く入れることでたくさんの面が作られ、筋交いを入れなくても頑丈に固定されます。
上棟時の木組みのみの状態でもしっかりと嚙み合いとても強く、安定しています。
木の良さを存分に引き出した〝自然とともに生きる家"
また、構造だけでなく、採光や通風についても、住まい手と建物が長く健康でいられるよう、自然の力を最大限に取り入れています。
リビングは南に掃き出し窓、天井に吹き抜けを設け、上からも横からもたっぷりと光を採り込んでいます。
緩やかな勾配天井と2階の格子床によって、明るさや開放感は保ちつつも落ち着きのある空間になっています。
温熱環境は、壁内通気工法を採用。1階の空気が2階、小屋裏を通って外へと流れるため、夏場は熱気が溜まりません。
冬場は薪ストーブに火をつければ家中暖か。一年中いつでも快適に暮らせます。
はしごで昇降できる小屋裏には通気用の窓を設け、
夏場は室内の熱気を外へ逃がせるようになっています。
キッチン
家の雰囲気に合わせて造作したキッチン。
メンテナンスしやすいよう、壁には目地の少ない大判の美濃焼のタイルを採用しました。
ダイニング
お酒を嗜まれるご夫婦のため、ダイニングにはディスプレイを兼ねたおちょこ用の収納棚を造作。
また、構造要素としても意味のある化粧「貫」がリビングとダイニングを柔らかく仕切るアクセントになっています。
梁との下にもう一段架ける「差し鴨居」です。この部材も家を強くする構造要素のひとつです。
柱と梁の接合部は木の込み栓を打ち込み強く接合しています。
古材の再活用
建替えられる前の建物は築50年以上の建物で、そこには、小屋組に綺麗な丸太、床柱、網代天井などが使われていました。
古い建物で使われていた構造材はよく乾燥していて変形や収縮が起こりにくく、木組みの材として向いています。
そういった材を思い出と共に引継ぎ、再活用しています。
床框は以前の天然絞りの床柱を加工、天井は以前の床の間天井の網代を再利用しました。
水回り
洗面台はすっきりと下はオープンにし、鏡収納も制作しました。
洗面台と洗濯機の反対側には、たっぷりと収納もあり、とても便利です。
浴室には、桧の板を壁と天井に施工しました。
子供室
子供室は将来的に仕切れるように、間に建具用の溝があります。
建具で仕切ることで、お子様が巣立ち、また広々した空間に戻す再には簡単に戻すことができます。
小屋裏の通気窓とスノコでつながっているので、夏でも二階の熱気を排出でき快適に過ごして頂けます。
建設地|奈良県大和高田市
分類|注文住宅 2階建ての新築
性能|伝統工法の木組み、省エネ基準以上の断熱性能
「吉野の木を伝統技法で建てる工務店」輪和建設株式会社では、永く健やかな暮らしを求め、自然素材にこだわった奈良の木の家づくりをしています。
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