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2023.07.31

スタッフブログ

現場から

見える部分と見えない部分

こんにちは!

中島です。

 

香芝市の新築工事は内装工事が進んでいます。

 

少しずつ出来ることが増え、最近は建具枠の取付をはじめて任せてもらったりと、成長している……!と実感できています。

 

親方がお手本を見せるかのように前を走ってくれるので、どう作るか、どう仕上がるかをじっくり見ながら同じ手順を踏んでゆきます。

 

おかげで初めての建具枠も良い感じに納めれたと思います。

 

僕が任せてもらったのはシンプルな建具枠でしたが、親方は枠同士の取り合いが絡んでくる少し複雑な仕事をされていました。

 

大工からするとこの納まりはあまり良い納まりとは言えません。

なぜなら板は反るからです。

「木」が「反る」と書いて「板」という漢字にしてありますしね。

 

板と板を直角に合わせて取付すると、はじめはよくても時間が経つにつれて、反りが出てきて口が開きます。

取付の前には既に反っている場合も多いです。

この反りは木の性質なのでどうすることもできません。

 

大工さん達ははこれをよく知っているので、板同士を直角に合わせる納まりはあまり好みません。

 

とはいえやってくれと言われれば大工さんは工夫をしながら納めます。

接着剤での圧着が主になりますが、大工さんによっては雇い実や本実加工をし、接着面を更に増やしたりと、それぞれの工夫が見られます。

 

今回の場合、親方は板同士をお互いに噛み合わせ、反りが出ずらいように側を加工して納めていました。

 

正面から見るとわからないですが、見えない部分でひと手間二手間かかった加工ですね。

 

 

これでも親方は確実に口が開かないとは言い切れないと言われていました。

 

小壁を作って独立させるのが木の性質を考えると良いですが、その場合だと小壁の分で少し狭くなりますし、小壁も細すぎるとクロスや塗りで苦労しそうです。笑

 

この納まりにするなら反りの少ない柾目の板が適していますね。値段は跳ね上がりますが。笑

 

親方は常々、「50年、100年先の事を考えた仕事をする」と言われています。

親方のさまざまな経験や豊富な知識から考えられた、手間がかかっても先を見越した仕事をするという姿勢はとても尊敬します。

 

たくさん見て、やってみて、「いい仕事」を覚えていこうと思います。

 


「吉野の木を伝統技法で建てる工務店」輪和建設株式会社では、永く健やかな暮らしを求め、自然素材にこだわった奈良の木の家づくりをしています。
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