HOME  >  ブログ  >  埋木 | 埋木という手仕事の細かな部分で思い出を作るひと工夫を加える奈良の木の家工務店、輪和建設

2023.04.8

スタッフブログ

埋木

輪和建設、大工の國分です。

 

最近の現場でとてもたくさんの埋木をする機会に恵まれました。

 

埋木というのは、木の表面に別の木を埋め込む技法で、古民家だと、今までの使われて方によって色々な箇所に欠き込みや穴があるので、それらを木で埋めて、表面を綺麗にしていきます。

 

一つ一つ細かな作業を必要とするため、中々その作業量が目に見えては来ないのが難点で、数が多いと結構大変です。

しかしながら、隙間なくピタッと埋木をできた時の気持ち良さは癖になります。

 

 

また埋木をする箇所によって、埋木の見えてくる面が異なり、難易度も変わってきます。一般的に多いのは穴を埋める埋木で一面だけしか見えてきません。

この場合は比較的簡単なのですが、欠き込み部に対する埋め木だと三面が見えてくることもあるので、まぁ難しいです。笑

 

最近の現場ではそのような様々な埋木を行う中で、お!これは!と思うものがありました。

 

 

それは差し鴨居への埋木で、建具の通る溝から凸部、そして表面まで欠き込みがあり中々に複雑でしたし、今までその箇所が担ってきた用途や差し鴨居の存在などを考えた時、何か特別な事をしてあげられないかという思いにいたり、お施主様とお話しをした上で仕上げを少し工夫しました。

 

 

普通は表面を平らに仕上げて終わるのですが、今回は鑿で細かく削りながら緩やかな曲線を描き仕上げとしました。鑿で細かく削る事でできる細かな凹凸は肌触りが良く、曲面に仕上げているので埋木が存在感を持っています。

お施主様にとっても、ふと埋木を見た時にこの時の事を少しでも思い返して頂けるきっかけの装置となれば嬉しいです。

 

 


「吉野の木を伝統技法で建てる工務店」輪和建設株式会社では、永く健やかな暮らしを求め、自然素材にこだわった奈良の木の家づくりをしています。
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