2019.10.26
社長ブログ
令和の大工棟梁検定
今日は、橿原にあるポリテクセンター奈良にて
「令和の大工棟梁検定」でした。
一般社団法人 全国古民家再生協会の主催によるものです。
午前中は座学、午後は実技による検定です。
この検定は全国19か所の都道府県で開催されています。
座学では伝統工法の特徴や歴史、木材の継手や仕口について
学び、実技では出題された課題を実際に加工して組み立てます。
木材に墨付けするところから始まります。
昔ながらの墨ツボ、墨差し、差し金を使っての作業です。
ハウスメーカーさんで組み立てるだけの作業をしている
大工さんではできないかもしれません。
墨付けが終わって実際に刻みの作業をしてもらいます。
電動工具は使用できません。
手ノコ、金づち、ノミ、錐など昔からある大工道具だけ
です。
手ノコも竪びき、横びきがあります。
錐もインパクトは使えません。ハンドドリルです。
これらの道具も使ったことがない大工さんがいるかもしれ
ません。
今回の検定にはベトナムの人が受験に来られていました。
話はとびますが、
ベトナムの人、当社の協力業者さんも数社で採用しています。
足場屋さん、材料の配送などで従事されています。
聞くところによると、本当に真面目でよく働くそうです。
日本人よりも。
とにかく体を動かすことに関してはよく気だ付くんだそうです。
例えば養生のためのシートを片付けるためにたたもうとすると
日本の若い子は言わなければぼんやりと見ていることが多く、
ベトナムの子は黙っていても走ってくるそうです。
おそらく幼いころからいろんなお手伝いを当たり前のように
してきているので自然と体が動くのではないかということです。
一方、日本の子は例えば勉強さえしていれば、別にお手伝いなど
しなくてもいいような環境で育っているのでは。
しかし、子供のころに家のお手伝いをする、お使いに行くと
いった経験があるとないでは大人になって社会に出ると大きな
差が出るという人もいます。
日本人も見習わなければなりません。
話は戻りますが、
こちらが完成です。
金物は使わず、込み栓とクサビで仕口を固定しています。
個の大工さんは実は当社で仕事をしてくれている大工さんです。
一番最初に完成しました。
私も見ていてほっとしました。
110分の時間で墨付けから行うのですが、やはり間に合わない人が
いるそうです。
普段電動工具に慣れてしまうとすべてを手作業でとなると時間が
かかってしまいます。
電動の丸鋸ならさっと引けば済むところを竪びきののこぎりで
ゴシゴシですから、汗をかきながらの作業でした。
改めていい経験になったでしょうか。
大工さんお疲れさまでした。