2024.07.25
現場から
床のあれやこれや

こんにちは!
中島です。
奈良市のリフォーム工事では、床張りを進行中です。
今日は床についてすこーしお話しします。
床といっても様々です。
このお宅は杉の床板。
1階は杉の上小
小さな節があったりなかったりする材料ですね。
2階は杉の一等
こちらは節のある材料ですね。
どちらも1、2階共に乱尺張りと呼ばれる継ぎ目をランダムにする張り方です。
もうすぐ完成の香芝市のリフォーム現場では、杉の床板と桧の床板を張り分けました。
リビング等は桧の上小
3mの継ぎ目は無し
1枚の幅は約110mm(働きと呼びます)
縁側は同じ材料のリャンコ張りと呼ばれる継ぎ目を互い違いにする張り方です。
廊下は二尺ずらし
寝室等は杉上小の乱尺
材料は指定されたものを使いますが、張り方は特に指定がなければ、いろんな条件を加味しながら大工が決める事が多いです。
入ってきた材料の量、長さ、種類、加工の仕方、施工難度、建物のモジュール等を考えながら、一番良いものを選択します。
現在進行中の奈良市の現場では本間の建物に六尺の床板が来たので、乱尺張りを選択しました。大工的には柱芯で継ぎたいところですが、六尺の床板では届かないですし、継ぎ手を一定にするとソツ(使えない捨てる部分)が増えてしまうので柔軟に対応できる乱尺張りで進めています。
香芝市の現場ではこちらも本間の建物ですが、入った材料が3mと4mの床板でしたので、柱芯で継げます。
長手方向に張ることが多いですが、リビングは短手指定でしたので、3m 1枚で届くので継ぎ手はなし
上小でも節や入り皮のない板を寄って集められました。
ほぼ無節。値打ちものですね。
27日、28日と見学会を予定していますので、よかったら見に来てください。
廊下など長いところは
リャンコや二尺ずらし等、その間でもっともソツが出ない張り方をしています。
継ぎ手を作ると仕事が結構増えます。
一番厄介なのは突き付けた時に幅が若干違う時ですね。無垢材なので痩せ方が1枚1枚若干変わるんですよね。
このままの状態で次を張ると
こうなってしまいます。
この誤差が0.5mm以下だと叩き寄せて締めれば問題なく張れますが、それ以上だと調整が必要になります。
際鉋と呼ばれる鉋で名前の通り際を削るための鉋です。
左右勝手があり、際々までの刃先
こうやって使います。
平均的になるように調整すると、
バッチリですね👌
湿度が高い時期なので、そのうち木が痩せて隙間が空いてくるでしょうけど、はじめはバチっと合わせておきたいところです。
無垢の床板張りは結構根氣がいります。
こういった削り合わせや、誤差分の通りの調整、そもそも1枚で進む幅が少ないこと。
働き110mmの板で廊下を張ってると1日めいっぱい頑張っても進んだ感があまりあせません。笑
建材のフローリングだったら1枚で300mmだから約3倍速く進むなぁなんてことは考えないのが無垢床張りのコツですかね。笑
3分の1を張り終えました。
残りの床板も根氣よくコツコツ張っていきます!
「吉野の木を伝統技法で建てる工務店」輪和建設株式会社では、永く健やかな暮らしを求め、自然素材にこだわった奈良の木の家づくりをしています。
奈良・大阪・京都他で注文住宅の新築、リフォーム、古民家再生、古民家リフォームの施工事例はこちら↓