HOME  >  ブログ  >  高気密・高断熱 本当に「いい家」とは 環境共生型の家 高気密・高断熱ではない古民家| 奈良の木の家工務店、輪和建設

2023.04.15

古民家ブログ

社長ブログ

高気密・高断熱 本当に「いい家」とは

会社で定期購読している住宅関連の冊子があります。

一通り目を通して社員に回覧しています。

住宅も性能重視の時代です。

特にこのところ目につくのが住宅の省エネに関すること

です。

自動車もそうですね。

内燃機関からハイブリッド、EVへと大きく変わろうと

しています。

日本においては既にほとんどの車がハイブリッドでは

ないでしょうか。

中には水素エンジンなんかもあるようですが、電動への

移行は確実だと思われます。

住宅においては断熱性能です。

外皮熱還流率や透湿抵抗など難しい言葉がたくさん出てきます。

消費者の方にとっては夏暑くなく、冬寒くなく、結露を起こさ

ない家であればそれでいいのです。

暑い、寒いというのはその人それぞれに体感温度もありますが、

これもほとんどの人が快適と感じるとされる環境も計算により

算出することができます。

結露もそうです。

計算により内部結露を起こすか起こさないかを算出することが

できます。

どんな人に対しても計算によりある程度の根拠を示すことができ

るようになっていますから、

工務店もそれに対応できるようにならなければなりません。

 

断熱性に関しては今まで長期優良住宅でも標準としていた断熱性能

はもうすぐ最低基準(断熱等級4)となり今では断熱等級7まで設定

されるようになりました。

性能が上がれば当然施工費も高くなります。

断熱材も性能のいいもの、ある程度の厚みのあるもの、さらに付加

断熱、サッシも樹脂サッシにペアガラスからトリプルサッシへと

ランクが上がっていきます。

初期投資は高くなりますが永く住めば永く住むほど光熱費は抑える

ことはできます。

日本の住宅の寿命は短くて30年位と言われますがそれ以上長く住む

ならば断熱性能が良くて省エネに越したことはありません。

 

しかしこの高気密・高断熱の住宅についてはなるほど確かにそうだ

と思う部分もあれば、本当にそれでいいのかなと思うところもあり

ます。

断熱をよくするにはまず気密性を上げなければなりません。

すき間だらけではいくら暖房(冷房)しても熱は逃げていきます。

その一方で計画換気をしなければなりません。

基準は1時間に部屋の空気が半分入れ替えるようになっています。

矛盾しているようですが、気密性さえ確保していればこの計画換気

ですべての居室の空気が入れ替わるということです。

すき間が多いと換気扇の周囲の空気しか入れ替わりません。

 

そして空気を入れ替えるということは室内の湿気も排出するという

ことです。

よく考えられているのですが、換気はすべて換気扇です。

私は換気というと「窓を開けること」という感覚があります。

確かに現代の外の空気というのは夏は高温多湿で冬は寒く、季節の

いい時期と言えば1年の内ほんの数か月です。

しかも春などは花粉や黄砂もあり、PM2.5のような大気汚染もあります。

窓を開けてもあまりいい空気は期待できないかもしれません。

真夏に通気による心地よさは期待してはいけないという意見もあります。

外気が高温多湿だからです。

梅雨や夏のように高温多湿の時期は窓を開けないように網戸を標準仕様

から外しているという事例もあるようです。

そこまでするかとも思いますが、これも地域差、環境の違いがあります。

当社ではプラン作成時には通風は必ず意識して造ります。

 

私は夏はあまりエアコンを使いません。

夏は窓を開放して寝ています。

周辺の環境が自然に囲まれているからですが。

実際快適な湿度を保つにはエアコンを使うしかありません。

快適な湿度はエアコンでも難しいくらいだと言われます。

 

窓を開けず、機械による計画換気で、エアコンを使って湿度と温度を

調節するというカプセル(シェルター?)のような環境が推奨されて

いるように感じます。

確かに快適な環境なのでしょうが、これが本当に身体にいいのか、

「いい家」なのかとも思います。

これから先どんな家が「いい家」と言われるようになるのでしょうか。

 

写真は今施工させてもらっている古民家のリフォームと新築の家です。

 


「吉野の木を伝統技法で建てる工務店」輪和建設株式会社では、永く健やかな暮らしを求め、自然素材にこだわった奈良の木の家づくりをしています。
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