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2019.07.31

古民家ブログ

古民家と現代の日本の家

古民家のリフォームをさせてもらっています。

今日はそのリフォームの木工事完了の検査に行ってきました。

古民家というと写真のような大きな梁がシンボルのように

使われていることが多いですが、どんな古民家もというわけで

はありません。

私が知る限り家が農家の場合に多いです。

京都の町家などにはこんな大きな木材は使われていません。

京都の場合は古民家とは言わずに「町家」です。

同じ奈良でも農家でない場合はこんな構造材はあまり使われて

いません。

このような構造材が好きな人は多いですが、リフォームするには

邪魔になることが多いです。

使われている高さが低いからです。

土間を基準に造られていることが多いです。

床のある和室でも差鴨居という大きな鴨居が使われていますが、

これも現代の家に比べれば低いです。

現代は2mが標準ですが、170センチから180センチくらいです。

といってどの木材も簡単に取っていいものではありません。

大きな木材だけに大きな力がかかっています。

大きいと継手や仕口といった部分の接点も大きいです。

また、継手や仕口も現代の家のように金物で補強されているわけ

ではなく継手・仕口の加工が今とは違って簡単に抜けたり外れたり

しないように造ってあります。

昔の大工さんの技術です。

古民家は地震に弱いというイメージがあります。

現代の耐震等級3の家と比べれば弱いかもしれません。

壁も少なければ筋違もないことが多いです。

耐震診断をすればほとんどが「倒壊の可能性大」となります。

しかし、100年、200年たっている古民家もあります。

何度か大きな地震に遭遇しているはずの家も残っています。

寺社・仏閣などはその典型ですが、どうして残っているのかを調べる

人があまりいません。

ここ数年の震災でも老朽化した古民家が倒壊している記事が載ること

はあってもそこの残っているはずの古民家については調べられていな

いそうです。

木と木と接合部分はヒンジと言って自由に動くものという前提で木造

の家は考えられています。

ですから、現代の家は筋違や合板を使って倒れないように設計されて

います。

しかし、古民家を研究している人によると差し物という水平に取り付

ける木材を幾重にも重ねることで、そして継手・仕口をしっかり接合

させることで揺れることはあっても倒壊はしない建築物だと言っています。

この説によると昔からある木造の建築物はこの差し物を使うことで壁は

必要のない建築物だったともいわれています。

ところが戦後、日本を訪れた欧州の建築家が「斜材の使われていない木造

建築物など考えられない」と言って否定したそうです。

しかし、実際に昔から残っています。

今まで造ってきた職人(大工)さんもそんなにバカではありません。

ところが、これをどうやってパソコンのソフトなどを使って解析するかと

なると大変複雑になるようです。

監理も難しいでしょう。

職人さんの技量に頼る部分もあるでしょう。

現代の家づくり(安く、早く)には沿わないのかもしれません。

しかし、古来から続いてきたせっかくの技術がなくなるのももったいない

ですね。そして、上記のように古来からある木造建築物を研究している人は

現代の日本の木造建築は「世界に出すには恥ずかしい木造建築物」とも言わ

れています。