2025.12.4
木の家づくりのこと
日の光と南中高度、季節による変化、庇の出
輪和建設の國分です。
弊社では自然の力を活用したパッシブデザインを設計に積極的に取り入れています。
そんな中、家にかかわり続けると、「光の入り方ひとつで、こんなにも暮らしの心地よさが変わるのか」と驚くことがあります。
家の向きや窓の大きさだけで決まると思われがちですが、実はその裏には“太陽の動き”が深く関係しています。
まず知っておきたいのが「南中高度」です。これは、太陽が一日の中でいちばん高く上がる位置のことです。
夏は太陽が頭の真上に近いほど高く昇り、冬は低い角度でゆっくりと動きます。
つまり、同じ南向きの窓でも、季節によって光の入り方がまったく違うのです。
夏の太陽は高い位置から降り注ぐので、窓の上にしっかりした庇(ひさし)があると、直射日光を遮ることができます。
これだけで室内の温度上昇をかなり抑えることができ、エアコンの効きも良くなります。
夏に南向きの窓からギラギラと光が差し込んで暑くなる家と、やわらかい明るさだけが入って涼しく保てる家。
庇の有無だけでも体感温度がまるで違います。
反対に冬は、太陽が低い角度を通るため、庇があっても光が奥まで届きます。
太陽の熱は思っている以上に強く、南からの光がしっかり入るだけで、室内はぽかぽかと暖かくなります。
自然の力を利用して暖房エネルギーを減らす「パッシブ設計」は、この季節による太陽の動きを読み取ることから始まります。
そして“光の質”というのも大切です。
冬の低い太陽は、柔らかくてあたたかい光を室内に届けてくれます。
無垢の床や漆喰の壁に反射する光はとてもやわらかく、時間帯によって表情が変わるので、家の中で季節や時間を感じられるのも自然素材ならではの楽しみです。
庇は単に「雨よけ」ではなく、光をコントロールするための大事な道具でもあります。
長すぎても短すぎても良くなくて、その土地の緯度、建物の高さ、窓の位置などを考えて決める必要があります。
計算しながらちょうどいい長さを設計することで、「夏は日差しを遮り、冬は光を取り込む」という理想の光環境がつくれるのです。
光は数字では測りきれない、暮らしの心地よさに直結する大切な要素です。
強すぎても弱すぎても、毎日の生活の快適さに影響します。
太陽の動きに寄り添い、自然のリズムをそのまま取り込む家は、エネルギーに頼りすぎず、季節の変化を楽しみながら暮らすことができます。
「吉野の木を伝統技法で建てる工務店」輪和建設株式会社では、永く健やかな暮らしを求め、自然素材にこだわった奈良の木の家づくりをしています。
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