2018.11.26
スタッフブログ
旧奈良監獄
輪和建設の阿部です。
2年前に閉鎖された奈良少年刑務所のリニューアル工事前に最後の一般公開がされましたので、見に行ってきました。塀の中は大賑わいです。大勢の観光客が訪れ、露天が並び、地ビールを楽しむような陽気なイベントでした。
この施設は、明治41年に完成した赤レンガの建物です。108年もの間、現役の刑務所として使用されてきました。表門の佇まいは有名で近代建築物として貴重な建物です。しかし、整然と並ぶ独房や窓のない石畳の通路は寒々しく、独房には空が眺められるだけの窓が一つ。調理作業や入浴は地下空間です。見学するうちに、だんだんと気が滅入ってきました。私たちが目指すところの風や光を大いに取り入れる開けた間取りとは全く異なる基準で設計された建物ですから、無理はありません。外の世界と遮断されるような空間は、身体に悪いんだということをただただ実感しました。
この建物は、リニューアル後はホテルになるそうです。今のままではとても泊まる気分にはなれませんが、どのように改装されて空間が変化するのか、楽しみです。