HOME  >  ブログ  >  尺貫法と柱割り | 柱割りのピッチをいくつにするかが、建築の空間の良し悪しを決める奈良の木の家工務店、輪和建設

2023.06.23

スタッフブログ

尺貫法と柱割り

輪和建設、大工の國分です。

 

柱と柱のピッチは基本的に3尺ピッチを基本として割り振ります。

1寸は約3.03センチメートル。

1尺は10寸なので約30.3センチメートル

3尺だと約910mmとなります。

 

木造住宅において910mmというのはとても基本的な数字で、色々な材料がこれの倍数を基本に製造・販売されています。

910mmとかなんて半端な、と思うかもしれませんが、メートル法ではなく尺貫法を基準としているから仕方ないのですね。

尺単位というのは木造住宅の基本なのです。

 

畳でいうと、短辺は3尺、長辺は6尺(1間)ですね。

 

先輩の大工さんと仕事をしていても、尺貫法での指示が基本で、メートル法に慣れ親しんだ私からすると中々に頭の切り替えが難しいところでもあります。

 

昔から使われてきている大切な寸法、しっかりと使いこなせるようになりたいものです。

 

しかしながら、3尺で約910mmのこの尺貫法を使い続ける必要性に疑問がないわけでもありません。

 

というのも、古民家のリフォームに入って、おお、この家はゆったりとした空間が気持ちいいなと感じると、そこは柱のピッチが980〜990ほどなのです。俗に言う「京間」というやつです。910は「江戸間」。

 

尺貫法とは、身体尺(人間の体の一部を尺度とした単位)から発しているもので、それはつまり人間の身体にあった寸法の空間を作るために適した尺度を示すツールであるということです。

 

なので、時代や地域によって、尺の大きさには若干の差異があるようですし、そのような柔軟性が尺貫法の良さであると考えた時、今の人々の体格やライフスタイルに合わせた空間を作る際に無理に尺を用いる必要もないのかもしれません。

さらには、1尺を330mmと再定義し、3尺ピッチで柱を割ると990mmピッチになるというのも面白いかもしれません。

 

建材が910mmの倍数で規格化されているので難しいところではありますが、近い将来新たな寸法を基準とし規格化された建材が出てきてもいいような気がします。

 

 


「吉野の木を伝統技法で建てる工務店」輪和建設株式会社では、永く健やかな暮らしを求め、自然素材にこだわった奈良の木の家づくりをしています。
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