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2023.04.24

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西大台の自然に触れて

設計の阿部です。

週末に大台ヶ原に自然散策に行ってきました。大台ヶ原は奈良県と三重県の県境にある日本一雨量の多い自然豊かなエリアです。眺望が楽しめる東大台と入山人数が制限されている西大台の登山コースがあるのですが、今回は静かに自然の風景を楽しみたいと思い西大台のコースに行ってきました。

 

西大台の入山人数の制限がされている理由は、将来にわたり現状の自然を維持するためです。その昔、農地にしようと人間の手が入り、作物が植えられたこともありますが、思うように作物が育たず開拓を諦めた経緯があるようです。残された土地はまさに自然のままに、そこらにおそらく台風などでへし折られた木が横たわり、広葉樹の森は今は葉がなく地面に春の日差しが降り注ぎ、実生がちらほらと芽を出していました。こういった木の赤ちゃんをできるだけ踏まないように、入山者は決められたコースを外れないで歩くというルールをまもって自然を楽しみます。

 

コースの途中に、クマの糞らしきものを見つけました。また、アナグマが悠々と歩いている姿や川の中にカエルの卵を見つけました。何か動物や動物の気配を見つけると嬉しいものです。静かで野鳥の囀りや川を流れる水の音もよく聞こえます。入山制限されているため、他の登山者の姿も時々みかけるくらいで、贅沢な空間です。しかし、まるっきり自然の中に放り出されるというのはやはり怖くて落ち着かないでしょう。クマに実際会うのは怖いのでしっかりと熊鈴を装備しましたし、登山コースを示す青い目印のビニールテープや、ときおり出てくる橋などの人工物を見ると正直ホッとします。

 

西大台のコースの出入り口や途中で、監視員の方に出会いましたが、「楽しんでいる?」と何度も聞かれました。自然を実際に感じて楽しむこと、そこに自然を守る秘訣があるからだと思います。学校や参考書で「自然を守る」ということを学ぶのではなく、実際に生の自然に触れて楽しむ経験が、将来的に自然を守るという動力になります。守る自然がどんなものかわからなければ、守る気持ちも湧きませんし、何を守るべきか実感がわきません。実際に自然を楽しんで何年か後に西大台を訪れて、すっかり風景が変わっていたら、本当に自然が壊れているということを実感し、どうにかしなければと本気で思うことができるでしょう。だから自然を楽しむということは意味があることなのです。監視員の方々は、そういう意味で「楽しんでいる?」かどうか気にされているのでしょう。

自然を取り入れた家も同じ、実際に住んで感じてこそその良さや違いが実感できます。そして、そのような自然を生み出す光や風は素材の背景を知り、伝え、守ることにまで繋げることができたらよいな、と感じました。

 


「吉野の木を伝統技法で建てる工務店」輪和建設株式会社では、永く健やかな暮らしを求め、自然素材にこだわった奈良の木の家づくりをしています。
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