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2023.02.7

スタッフブログ

家は子供の教育の良き教材

輪和建設、大工の國分です。

 

美しい風景の中の住まい学を読んでます。

ざっくり言うと、住まいへの考え方を通してそれらが風景に及ぼす影響や、美しい風景を生み出すために大切な事などが紹介されてます。

そして例に漏れず、近代の様々なデザインの家が乱立し、美しい風景がなくなってきていることを嘆いています。

 

その中で、成る程なと感じる、面白い内容があったので紹介します。

それは、家は子供の教育の良き教材。という文です。

 

主に教育は学校で行うものと考えがちですが、社会の中で生きていくための基本となる礼節は家庭で行うもので、やはりそのために場所となる住まいは、とても重要な役割を担っているということです。

 

家の空間や素材、間取り、光の入り方、温かい場所、寒い場所、換気であったり汚れであったり、様々な要素を住まいから学び取ることができます。

 

そういう意味では、外部環境から隔離する高断熱高気密という考え方は完全無欠の素晴らしいものとは言えないのかもしれません。

それでもこれからのエネルギー事情を考えると高断熱高気密の省エネという考えは避けては通れないですが。

 

本書では今の時代の、汚れない傷まないといった便利さを求めて石油製品のプリントによる木のフェイク材が使われていたり、障子の和紙にいたっても破れにくいフェイク材が使われたりしていることに対し、子供の教育上マイナスであると述べてあります。

 

そのような材に囲まれて育った子供は、本来の木や紙の性質を実際に見て触れて学ぶ機会を損失してしまっており、例えば落書きしても拭けば消える木のフェイク材が使われた家で過ごした子供は、本物の木材を使用している家でも壁に落書きをしてしまったりするわけです。木とはどういうものなのかを間違って理解して育ってしまうわけです。

また、経年劣化による美しさを感じとる感性もなかなか磨かれず、物を長く大事に使う事の良さも学べないのではないでしょうか。

 

汚れない、傷付かないといった事はとても便利で楽ではありますが、やはり楽に逃げてはろくなことが無いのだなと感じます。

それに失敗したりめんどくさい事をやったりすることで思い出となり、子供としても学びになるのでしょう。

 

健康の面からもそうですが、学びという面でも、傷つかない汚れないフェイク材ではなく、汚れやすく傷つきやすい自然素材を家に使う事はとても大切な事なのだなと思います。

 

 

 


「吉野の木を伝統技法で建てる工務店」輪和建設株式会社では、永く健やかな暮らしを求め、自然素材にこだわった奈良の木の家づくりをしています。
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