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2024.03.21

古民家ブログ

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古民家のリフォームで思うこと

古民家のリフォームさせてもらう機会が多くなりました。

在来の比較的新しい家のリフォームがあまりありません。

古民家再生教会も兼任しているのでそうなのか、全国的

な傾向なのかもしれません。

 

リフォーム工事を重ねていると古民家特有の構造なども

分かってきています。

それでもどの家も造った棟梁の独自の施工方法があり、

施工の時期による違いもあります。

何しろ古民家と言えば築200年位の家もあれば100年前後

の家もあり50年から60年という家もあります。

伝統工法もあれば在来と伝統が混じった家もあります。

 

そしてだいたいが既に何らかのリフォームされています。

現代の古民家のリフォームというと大きな構造材をなる

べく隠さずに見せる傾向にありますが、30年前くらいの

リフォームでは当時販売され始めた新建材が多用されて

いて、なんでも包んで隠してしまうようなリフォームが

多いです。

先日も現地調査に行かせてもらいましたが、ある大手の

メーカーさんで15年くらい前にリフォームされていまし

たが、同じように包んでしまうようなリフォームがされ

ていました。

今なら全然違うリフォームになっていたと思います。

それも施主さんが望んだリフォームかもしれません。

 

打合せ及び施工をしていて良く感じるのは施主さんの

要望とこちらの「これが最善であろう」と考える改修

内容の違いです。

古民家は古民家らしくと思うのですが、新建材や最新

の設備を取り入れたりとアンバランスな印象を受ける

ことがあります。

もちろんどちらが正しいとかはありません。

 

リフォームでも新築でも予算ありきです。

昨今は資材や人件費の高騰もあり建築費はかなり上が

ってきています。

施主さんが望むリフォームに対して予算が足りないこと

は多々あります。

古民家は大きな家が多いので施工範囲が広くなると予算

はどんどん膨らみます。

情報過多のせいか「そこに拘らなくても・・・」という

ことがあります。

たとえば「断熱材は何を使われてますか」といった内容

です。

もちろん断熱材も大事ですが要は「どんな家にしたいか」

「どんな暮らしをしたいか」だと思います。

 

家は構造ありきと考えています。

そこにお金がかかるのは仕方ないと思います。

しかしリフォームを考えている人は水回設備を重視しがち

です。

システムキッチンや洗面台、バスユニットからトイレなど

最近の設備はよくできています。

そして大変高価です。

身近で毎日使うものですから、いいものが欲しいという

気持ちはよくわかります。

しかし高価だから長持ちするというものでもありませんし、

設備機器は比較的簡単に取り替えができます。

構造は簡単に取り替えできません。

いい商品を選ぶと予算がそちらに掛かってしまいます。

 

古民家は基本的に地産地消で造られています。

土や天然の木材、瓦等です。

ですからリフォームするにしてもなるべく自然の素材を

使うようにしています。

また使えるものはなるべく使います。

建具屋や欄間などがそうです。

 

構造的にはなるべく伝統工法は伝統工法で、在来工法は

在来工法で補強を考えます。

しかし、伝統工法の家であっても在来工法に変えたほう

がいい場合もあります。

断熱にしてもいろんな方法があります。

木製の建具を使いたいというのならそのまま使えばいいで

すし、本格的に断熱したいとなれば性能の良い断熱サッシ

を使ったりすれば現代の家ほどではないにしてもある程度

断熱性の良い家を造ることはできます。

 

施工する側としては工事にあたっていろいろ思うところは

あっても施工者の思い込みもあります。

何も型にはまったリフォームをすることはありません。

要はこれからそこで暮そうとする人がどんなリフォームが

一番自分にとっていいリフォームになるかです。

 


「吉野の木を伝統技法で建てる工務店」輪和建設株式会社では、永く健やかな暮らしを求め、自然素材にこだわった奈良の木の家づくりをしています。
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