2021.05.27
お客様インタビュー
「障がい者応援くらぶなないろはあと」さん
6/12(土)は『木のおうちマルシェ』開催予定となっています。
主催は 障がい者応援くらぶなないろはあと さんです。
三男さんの知的障がいをきっかけに、障がいのある人が社会で活躍できる場所づくりの活動をしておられ、『木のおうちマルシェ』もその一環として開催されています。
活動の思いなどをインタビューさせていただきました。
障がい者応援くらぶ なないろはあとさん
あるイベントで知り合い、輪和建設のご近所さんであることが判明したなないろはあとの吉元さん。定期的にモデルハウスでの『木のおうちマルシェ』を開催してくださっています。
- なないろはあとさんの活動内容を教えてください。
主に福祉施設で作られたフェルトボールを買い取り、それを使って商品化し、委託販売や手作りイベント出店、SNSやメルカリなどで販売しています。また、イベントを企画して障がいのある人が社会で活躍できる場所作りもしています。木のおうちマルシェはそのひとつです。
- フェルトボールの制作を福祉施設に依頼するようになったきっかけは?
三男が中学生になったころ、支援員として福祉施設で働き始め、利用者の工賃が授産品の売り上げから出ていることを知りました。ちょうど三男の人並み外れた集中力を活かせることはできないかと模索していたときでもありました。三男が学校で作ったフェルトのマスコット人形を見て、形を同じ丸いものだけにして作業を単純化させ、制作を依頼すれば彼らの仕事になるのではないかと思いついたのが始まりです。
- フェルトボールはどのように作られていますか?
最初はニードル針を使って制作していましたが、この方法では効率が悪く危険です。あるとき石鹸水を使って羊毛を固める手法を知り、大きさ、硬さの均等なフェルトボールを作る方法を考えました。そして、使うフェルトボールの大きさを2種類に絞り、どこの福祉施設で作ってもフェルトボールが同じ大きさになるようにしました。
- いろいろな可能性がある中で、フェルトボールに決めた理由はなんでしょうか?
フェルトボール作りに使う道具は少量の中性洗剤とお湯、そして洗面器のような器とタオルだけです。大がかりな機材を使うこともなく、いつでもすぐに取り掛かることができます。それと、商品にするということは、それだけの販売数(在庫)を抱える必要があります。たとえ少量しかできなくてもいろいろな福祉施設からフェルトボールが資材として集まってくる。このシステムにちょうど良いと思ったのがフェルトボール作りを広めることでした。
- 福祉施設へ作業の依頼するうえで、良かった点、難しかった点、工夫した点、などありますか?
自分たちが作ったフェルトボールがどんな形で商品になっているのかが分かるので、やりがいに繋がっているというお声をよく耳にします。また、コロコロ転がしていろんな色が出来ていくのが癒しにもなっているようです。ただ、正直誰にでも出来るという作業ではなく、根気も必要です。大きさの基準が分かりにくく定規での目視は誤差が出るので、アクリル板を丸くくりぬいた専用のスケールを作りました。このお陰で制作のスピードが上がりました。
- 以前たまたま手に取った商品が実は障がい者が作ったものだったというのが理想だとおっしゃられていましたが、“障がい者”を前面に押し出さない理由は?
障がい者が作りました、と前面に出して同情や情けで買って頂いても次につながりません。まず、「買いたい」と思って頂ける商品であることが制作を続けていく上で大事だと思っています。
- 今後の目標や展望は?
フェルトボールがいろいろな場面で使ってもらえる資材として広がると嬉しいですね。なないろはあとの商品はフェルトボールの魅力をお伝えするツールにすぎません。こんなにいろんなものができるんだ、こんなに楽しめるんだということが広がって、関心が広がり、たくさんの人に使ってもらえるようになれば嬉しいです。
- 最後に伝えたいことは?
知的障がいを持つ三男の病気は「プラダー・ウィリー症候群」という1万5千人に一人という稀な病気です。この病気は、主に食欲のコントロールが出来ず過食になり、代謝も悪いために肥満になりやすく、糖尿病や心臓病などの合併症を引き起こします。それと、成長するにつれて難しくなるのが人間関係です。こだわりが強い、嘘をつく、思うようにならない時は暴れたり物を壊したり自傷したりすることもあります。機嫌よく過ごすためには息子の病気の理解が大事であり、的確な支援が必要です。問題行動はいつも起こすわけではなく、普段は聞き分けの良い優しい子です。知的に障がいがあっても、嘘をついて困らせたり陰でいたずらをすることがあっても、人が喜ぶことのできる良い面もいっぱい持っています。
どうかこの子に目を向けて欲しいのです。買い物をしているところを見たら、それは盗み食いしているかもしれません。一番怖いのは関心を向けられず自由(=隙)を作ることなのです。木のおうちマルシェは、息子のために始めた活動を地域でお披露目でき、息子が活躍できる良い場所なのです。そして、息子をはじめ障がい者と地域の人とが自然に共存できることもありがたいのです。輪和建設さまにはマルシェ開催のご縁を頂き、感謝の気持ちでいっぱいです。これからもどうぞよろしくお願いいたします。