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2022.11.4

お客様インタビュー

お客様インタビュー 画家・イラストレーター『nao』さん

画家・イラストレーター 『nao』さん

ご自宅をリフォームさせていただいたご縁のある、大和郡山市のイラストレーターさ『nao』さん。

動物や植物、模様をモチーフに、柔らかくきれいな色合いの作風です。

難病と向き合いながら制作活動をされています。

 

-活動内容を教えて下さい

 

日本画の一種である顔彩で絵を描いています。
愛らしい生き物の姿と、浮遊感のある構図、華やかな色彩が特長です。

金・銀彩も使っているので、原画は角度によって美しく光ります。
その他にも、手芸雑貨も制作しています。

 

-制作活動を始めたきっかけはありますか

子供の頃から絵を描くのは好きでした。
絵の中に入り込み集中して描く時間は楽しく、保育園の頃からどうやったら上手く描けるだろう?と考えていた記憶があります。

当時、ボールを投げている友達の絵を描こうとしたのですが、どうしても上手く描けません。悩んでいると先生が、前にくる足の方が大きく見えるよと教えてくれました。見てみるとそのとおりで、前の足を大きくするとうまく描けました。単純なことですが、すごいと感激したのを覚えています。
美術短大を卒業してから個展やグループ展など開催しています。何度も途切れながら、今も制作を続けています。

 

-作品はどんな時に生まれますか

民族衣装や模様など、きれいな色や図柄を見た時、美しい音楽や景色、芸術を見た時にインスピレーションを受けます。

動物や植物、模様をモチーフにすることが多く、他にも雲や水、風や光なども描くのが好きです。美しいものを見たとき、触れたときに感じる感覚、感動を表現したいと思っていて、絵に落とし込むときに、それらの力を借りて描いています。

 

-とても色がきれいな作品ですね

私が絵を描く時の具体的な方法は、色彩から入ることが多いです。こんな絵が描きたいとイメージします。すると、初めに色が浮かんできます。その色を塗った紙を作り、しばらくながめていると、色々なイメージや形が浮かんできます。しばらく浮かぶままにして放っておくと、忘れた頃に、これだという構図や色彩のアイデアが降りてきます。それを落とし込んでいくと、作品が生まれます。インスピレーションを受けた時のみずみずしさを大切にしています。形にする時は、緊張感とワクワクした感覚の両方があります。

 

-作品を通してどんなことを伝えたいですか

 

見た人のこころが軽くなったり、明るく、元気が出る様な絵が描けたらいいなと思っています。
初めて絵を買ってくれたおばあさんの話は今でも思いだします。「私の青春時代は戦争で、何もかもが灰色だった」と。「かわいい物や綺麗なものを身につける事もできなかった。もっともっとおしゃれをしたかった」と涙ぐんでおられました。「あなたの絵を見ていると、青春時代をとりもどした気がする。キラキラして綺麗な絵ね」とずっと見て下さいました。
私以上に感じ取っていただき、感激してしまいました。自分の思っている以上に伝わった時には、本当に嬉しく、こちらも力をもらえます。

 

-免疫系の難病をおもちだそうですが、病気とはどのように向き合っておられますか

十数年前に免疫系の難病を発症しました。最初の症状からすぐに生命が危ない状態になり、その後何度も入院しました。こんな体でどうやって生きていけばいいのだろうと不安になり悩んだ事もありました。すぐに息が切れてしまうので、まずは少しづつ体力を戻す事に集中しました。
やっと今ではかなり症状は落ち着つき、寛解という状態を維持できています。(症状を抑えるための、毎日の服薬は必要です)
病気を忘れるほど元気な日もありますが、痛みや倦怠感、リンパの腫れなど出る事も多いので、無理をせず、自分の体のペースに合わせて生活しています。
絵は、難病を発症したのをきっかけに中断していましたが、パートナーのすすめもあり、また描き始めました。すると、どんどんと楽しい時間が増え、不思議な事に心と体が安定していきました。とはいえいつまで体が持つのかわかりません。死を身近に感じる事により、どう生きたいかを真剣に考えるようになりました。「面白そう」「やりたい」と思った事はどんどん挑戦し、楽しい時間を過ごしたい。もっともっと美しいものを見たい。そして作りたいと、いい意味で生きる欲がでてきました。

 

-今後の目標を教えてください

今後も、制作活動を続けていきたいと思います。
パートナーも絵や詩の制作をしているのですが、私の難病発症当時の大変な時期に書き溜めた詩を、詩集「静けさを水に、かきまわす」として、昨年の夏に自費出版しました。
詩集の表紙に私の絵を使いたいとの提案を受け、再び描き始めるようになりました。制作活動を通して社会との繋がりを作ってあげたいという思いで、私に提案してくれたそうです。

制作の喜びを思い出させてくれた事にとても感謝しています。
またこれからも本の表紙画にも挑戦してみたいですし、注文を受けて描くのも楽しいと感じています。
制作活動を通しての沢山の方々との出会いを大切にして、マイペースに続けていきたいと思っています。

 

 

 

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(2022.11現在 移転作業のため休止中)

 

 

 

nao-artworks

京都嵯峨美術短期大学版画コース卒業後、個展・グループ展等で創作活動

難病発症後自宅療養を経て制作活動をゆったり再開

大和郡山市の独立書店「とほん」さんでの展示会や手芸雑貨の作成・販売も開始

 

 

 

 


「吉野の木を伝統技法で建てる工務店」輪和建設株式会社では、永く健やかな暮らしを求め、自然素材にこだわった奈良の木の家づくりをしています。
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