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2023.10.7

家づくりのこと

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時代を超えて伝わる大工仕事

こんにちは!

中島です。

 

先日、築50年ほどのリフォームの現場に行きました。

 

今のような在来工法の造りではなく、伝統工法のような造りの建物でした。

 

足元は石場建て

 

差し鴨居は地松で仕口は長ホゾ込栓差

最高にカッコいいですね。

 

四間取りの2部屋を解体しました。

和室から板張りの洋室にリフォームです。

 

こういう古い建物のリフォームは勉強になります。

解体をしていく中で昔の大工仕事が見れるからです。

今回は珍しい仕事を見ることができました。

 

敷居を解体していると、寄せ蟻で下の大引から引っ張ってありました。

大引に穴を通して掘り、裏から鼻栓で引き寄せてあります。

 

鴨居の吊束で使ってあるのは見たことがありましたが、敷居ははじめて見ました。

敷居を横から睨むとむくり勝手になっていたので、浮き上がり防止のためにした仕事だと思います。

通常は木表側を表に使えば大方の木は垂れ勝手になるので必要のない仕事ですが、稀にむくり勝手に反っている木もあります。

 

現代であればビスや接着剤などで浮き上がりは止められますが、便利なもののなかった時代では手の込んだ仕事をしないといけなかったんですね。

 

昔の人は賢いなぁと、こういう仕事を見るたびにつくづく思います。

 

中には原始的な仕事もあり、竿縁天井の解体では氣をつけなければならないことがあります。

 

それは大きめの石が降ってくることです。

今回はレンガが2つ天井裏から出てきました。

竿縁天井は天井板を天井裏側から釘打ちで留めていくので、張り終いを釘止めすることができません。なので、最後の一枚は石を重しにして納めることが多いです。

 

何も考えずに解体を始めると、頭の上からこの石が降ってきます。笑

 

手の込んだ仕事もあれば、こういうシンプルな考えもあって、おもしろいですね。

 

あと降ってくるものといえば、ネズミの糞とかですね。今回もしっかり、糞シャワーを浴びました。笑

掃除して集めたら土嚢袋一袋分ありました。笑

 

古民家の天井バラしはこれがきついですね。笑

 

解体をしていて思うのは、今、昔の人から仕事を学べているように、僕達がした仕事も未来の職人に伝わるということです。

 

僕らが関わった建物もいずれは解体され、新しい姿になるでしょう。

その時に今の技術を伝えられる、伝えても恥ずかしくないような仕事をすることを心掛けていかないといけないと思います。

 

ほぼ木と土だけでできている昔の家はとても長いこと持つことが分かっていますが、今の家づくりで使われる様々な建材は果たしてどのくらい持つものなんですかね。

 

どんな姿で残り、未来へ伝わっていくのか、その時になってみないとわかりませんね。

 


「吉野の木を伝統技法で建てる工務店」輪和建設株式会社では、永く健やかな暮らしを求め、自然素材にこだわった奈良の木の家づくりをしています。
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