2026.06.22
設計から
小さな家に住む
設計の小林です。
最近は寝る時の夜風がとても気持ちが良いですね。
先日、お客様から「小さな家でいいと考えています」というご相談をいただきました。
家づくりのお話をしていると、「最低でも30坪は欲しい」「できれば40坪くらいあると安心」といったご要望をいただくことが多く、
中には60坪ほどを希望される方もいらっしゃいます。
もちろん、家は広い方がゆとりを感じやすいものです。
しかし、本当にその広さが必要なのでしょうか。
実は私自身、今22坪の2階建て住宅に家族4人で暮らしています。
築56年の中古住宅を購入してリフォームした家ですが、
4人家族でどのくらいの大きさが快適に住める下限値なのか体験してみたいという思いもあり、この住まいを選びました。
主人が十分な大きさだと言っていたのも大きいです。
私の実家は約30坪の住宅で、姉妹2人で7.5畳の子ども部屋を使っていました。子供室としてはミニマムな大きさだと思います。
その経験もあったため、さらにコンパクトな住まいに挑戦してみようと思い購入しました。
実際に住んでみると、22坪でも不自由はほとんど感じていません。
我が家は夫婦ともに収集癖で、モノは多い方だと思います。コップ類だけでも50個ほどあるタイプです(笑)
飲料水やおむつなどの備蓄品も常にストックしていますし、子供服のお下がりの服のストックやおもちゃにぬいぐるみも大量です。
それでも収納に困ることなく暮らせています。
その理由は、限られた面積を無駄なく使う工夫があるからだと思います。
1階も2階も廊下はほとんどなく、階段もかなりコンパクトです。
階段下の空間はすべて収納として活用し、天井近くの天袋が3か所あったり、階段上のスペースも無駄なく収納空間として利用できます。
また、キッチンがゆったりと6畳あり、LDKがひと続きで天井も少し高いので、窮屈に感じていません。
お風呂は1116サイズと少し小さめですが、高身長が居ないので我が家では特に大きなストレスにはなっていません。
将来的には、現在ある4.5畳と6畳の個室を子どもたちの部屋として使う予定です。
ただ、子どもが個室を必要とする期間は意外と長くありませんので、将来的に手狭に感じれば、庭に小屋を建てたらいいかなと気楽に考えています。
こうした経験から感じるのは、「小さな家で快適に暮らすためには、用途を限定した部屋を増やしすぎないことが大切」だと思います。
最近は、
・ウォークインクローゼット
・シューズクローク
・ランドリールーム
・家事室
・書斎
・パントリー
など、さまざまな専用空間が求められるようになりました。
もちろん、それぞれ便利な空間です。
しかし一般的な広さで考えると、
・ウォークインクローゼット:1.5坪
・シューズクローク:1坪
・ランドリールーム:1.5坪
・家事室:1坪
・書斎:1坪
・パントリー:0.5坪
合計で約6.5坪もの面積が必要になります。
それぞれには実は人が通るだけのスペースも含まれているので上記の坪数=収納や家具が置ける面積ではありません。
さらに部屋を増やせば壁や建具も増えるため、建築費も上がります。
空間を細かく区切ることで、実際の床面積以上に狭く感じることもあります。
だからこそ、コンパクトな住まいでは「この部屋はこの用途だけ」と決めすぎず、
一つの空間を複数の目的で使えるように計画することが大切だと考えています。
家具で空間を区切ったりすることで、後々の可変性は高くなります。
家づくりでは、単純に坪数を増やすことが快適さにつながるとは限りません。
お掃除も大変になりますし、必要のないものを何年も家の中に放置してしまうこともあります。
大切なのは、ご家族の暮らし方に合わせて必要な広さを見極め、限られた面積を有効に活用することだと思います。
「家は最低30坪必要」と思われている方も多いですが、実際には暮らし方によって必要な広さは大きく変わります。
広い家が良いとは限りません。無理なく建てられ、長く快適に暮らせる“ちょうどいい住まい”を一緒に考えてさせていただければと思います。
家の大きさで迷われている方は、ぜひお気軽にご相談ください。
「吉野の木を伝統技法で建てる工務店」輪和建設株式会社では、永く健やかな暮らしを求め、自然素材にこだわった奈良の木の家づくりをしています。
奈良・大阪・京都他で注文住宅の新築、リフォーム、古民家再生、古民家リフォームの施工事例はこちら↓


