2026.01.17
木の家づくりのこと
つなぐわざ
工務の有田です。
本年もよろしくお願いいたします。
昨年から工事が続いている郡山市の古民家改修が、今年も順調に進んでいます。
減築工事で屋根を一部短くしているため、部分的に屋根を骨組みから新しくします。
古い屋根と新しい屋根をつないで一体化する作業は、出来上がりの大胆さからは想像もできない緻密さで、屋根の上と下から位置や角度を確認し、合わせていかなければ、仕上がりに影響が出てしまいます。
木造の工事では「継手(接手)」という技術が多用されています。
例えば、梁は搬送や施工性、価格などの問題から、3~4mの材料が一般的に流通していますが、4mを超える梁が必要になる場合もあります。
その場合は、2本の梁をつないで長くしますが、その際に、両方の梁材の端を加工してパズルのように組み合わせます。その加工部分を「継手」と呼びます。

加工する部分に細かく印を打って、上と下の材料の印がぴったりと一直線になっているのがわかります。
のこぎりやノミを使って、大工さんが手作業で加工するのですが、こういった技術は、当然一朝一夕で身につくものではなく、大工さんが長年経験を積んで技術を磨かれた証です。
輪和建設では、新築の物件でも大工さんが手刻みで継ぎ手を作っています。
また、解体してみたら古い柱の下の方が傷んでいたため、新しい柱材でつないだ部分もあります。

継手は形状によって呼び名があり、これは「しっぱさみ」というそうです。
継いだ状態でも複雑に見えると思いますが、接続面はもっと複雑。

作業台で寝かせて加工するだけでも大変な作業ですが、垂直に取り付けられた状態の古い柱を同じ形状に加工することが如何に高難度の技術を要するかは想像に難くありません。
先のブログで広報の國分が大工さんの人口減少にも触れていましたが、こういった高度な技術を有する大工さんは更に少なく、大工さんの高齢化によって、一層の減少していくと予想されます。
古民家改修のように技術を活かす場が、技術の継承にもつながります。
仕上がった後は壁や天井の裏に隠れてしまうこうした「現場でしか見られない技術」を、今年もどんどん発信していきたいと思っています(ちょっとマニアックですがお付き合いください!)。
今週から、宇陀市で新たな古民家改修の工事が着工しましたし、どんな技法や工法がみられるか、わくわくしています。


