2024.04.28
スタッフブログ
社員研修で法隆寺見学
設計の小林です。
先日社員研修で法隆寺に行きました。
法隆寺は久しぶりで、今回ボランティアガイドさんに説明していただき、新たな発見がありました。
仏像は目線を合わせると表情や見え方が変わり、見る人の心情もあらわれるそうで面白かったです。
古いものほど一本彫りの仏像が多いというのも興味深かったです。
仏像の魅力を知れました。
建物に関しては、修繕の際に元の形と変えられてしまったところなど教えて頂きました。
金剛力士像についても、修繕方法がよくないとのことで本来では国宝になるところが重要文化財となってしまっているそうです。
回廊の修繕前後の写真です。
←こちらが本来の姿 →こちらは鎌倉時代修繕の際に改変された部分
良く見ると梁の形状や束の有り無しなど変わっています。
本来の姿では、束のない叉首(さす)によって引張方向の力が働くため、絶妙なカーブを描く細めの虹梁(こうりょう)で構造が成り立っているようです。
対照的に、鎌倉時代の方は束のある豕扠首(いのこさす)となったため、荷重がかかりたわむため、下の梁も大きくする必要があったようです。
ガイドの方は本来の姿の方が軽やかで美しいと仰っていました。
私もそう思います。
五重塔も中国の様式と異なるそうで、軒の深さ、上層になるにつれて小さくなるバランスの良さは日本独特の美意識から生まれたものだそうです。
法隆寺にも、白銀比(大和比)が多く用いられているそうで、この1:1.414(5:7)の比率は日本では古くから大工の間で「神の比率」とされてきたそうです。
日本最古の木造建築である法隆寺金堂や五重塔、伊勢神宮などの建築物のほか、平安京の街並み・彫刻・生け花にもこの比率が多く取り入れられてきたそうです。
そうした馴染みもあってか、なんとなく私自身も白銀比の方がバランスが良く感じます。
細部の美しさも設計の世界では良く言われますが、全体的な大きな比率、バランスもまた大切だと再認識しました。
「吉野の木を伝統技法で建てる工務店」輪和建設株式会社では、永く健やかな暮らしを求め、自然素材にこだわった奈良の木の家づくりをしています。
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