HOME  >  ブログ  >  新入社員 | 奈良の木の家工務店、輪和建設

2024.04.1

スタッフブログ

新入社員

中西春代です。

青空が広がり、桜が咲く中、弊社に見習い大工として本日、平井満君が入社しました。

平井君は異業種での社会人経験が長く、考え抜いての再スタートを切ったようです。

昔は、中学や高校を卒業し、直ぐに大工棟梁の元で修業を積んで身体で仕事を覚えるのが多かったのですが、今は大学卒・大学院卒、社会人として転職する人も増えました。

学生時代にはわからなかった、本当に自分がやりたいことを見つけて、大工になることを選択する。

寿命が延びて、定年退職の年齢も引き上げられているのですから、再スタートはいつでもきれるのですね。

さて、毎年4月1日には、サントリーが新社会人に向けてのメッセージを新聞に掲載されます。

このメッセージは毎年伊集院静さんが執筆されていました。昨年11月の伊集院さんのご逝去を受けて今年は、2000年4月に1回目として掲載された伊集院さんが執筆された原稿が掲載されました。

『空っぽのグラス諸君。一杯の語らい。』

新社会人おめでとう。

今日、君はどんな服装をして、どんな職場へ行ったのだろうか。たとえどんな仕事についていても、君が汗を掻いてくれることを希望する。

冷や汗だってかまわない。
君は今、空っぽのグラスと同じなんだ。
空の器と言ってもいい。
どの器も今は大きさが一緒なのだ。
学業優秀などというのは高が知れている。
誰だってすぐに覚えられるほど社会の、世の中の、仕事というものは簡単じゃない。

要領など覚えなくていい。
小器用にこなそうとしなくていい。
それよりももっと肝心なことがある。
それは仕事の心棒に触れることだ。

たとえどんな仕事であれ、その仕事が存在する理由がある。
資本主義というが、金を儲けることがすべてのものは、仕事なんかじゃない。仕事の心棒は、自分以外の誰かのためにあると、私は思う。

その心棒に触れ、熱を感じることが大切だ。仕事の汗は、その情熱が出させる。心棒に、肝心に触れるには、いつもベストをつくして、自分が空っぽになってむかうことだ。

それでも諸君、愚痴も出るし、斜めにもなりたくなる。でもそれは口にするな。

そんな夕暮れは空っぽのグラスに、語らいの酒を注げばいい。そこで嫌なことを皆吐き出し、また明日、空っぽにして出かければいい。

案外と酒は話を聞いてくれるものだ。

2000年4月 伊集院静

 

 

23年前の原稿ですが、、仕事の心棒は、自分以外の誰かのためにあると、私は思う。とメッセージを残してくださった伊集院さん。

このメッセージに、多くの人が励まされ、心静かに自分を振り返ることができたと思います。

 

手間暇かかる弊社の家づくりに自然との共存を望み、伝統技術の継承を望み、その理念に共感する仲間がまた一人増え、私たちは汗をかきながら、より強く、より美しい家をつくっていこう。

心新たに思っています。

平井君はこれから多くのお客様とお目にかかることと思いますが、皆さまどうぞよろしくお願いいたします。

ワイン、チーズについてはプロ並みの知識があり、フランス語・ドイツ語・を少し話せるそうですので、日本語以外での会話もお楽しみくださいませ。

 

※写真は本日朔日参りに行った三輪明神大神神社様の大美和の杜展望台周辺の桜です。

 

 


「吉野の木を伝統技法で建てる工務店」輪和建設株式会社では、永く健やかな暮らしを求め、自然素材にこだわった奈良の木の家づくりをしています。
奈良・大阪・京都他で注文住宅の新築、リフォーム、古民家再生、古民家リフォームの施工事例はこちら↓

施工事例を見る