2024.03.30
スタッフブログ
耐震診断
設計の小林です
少し前に奈良県の既存木造住宅耐震診断・改修技術者養成講習会の更新講習を受講してきました。
診断員になって3年経ったので更新となりました。
早いものです。
ですが、奈良県からの依頼はいまだに来た事はありません。
通常業務で耐震診断は頻繁にしておりますが、耐震診断員としての仕事依頼はゼロです。
県や市町村の耐震診断の補助金の認知があまりないのでしょうか。
もしくは、リフォーム会社等が耐震診断をしてしまうので、役所を通じての依頼は少ないのかもしれません。
役所がどのように依頼しているのかも謎で、一度くらいは経験のためにも来てほしいなぁと思っているところです。
奈良県から発行している、耐震診断のガイドブックです。わかりやすくまとめられています。
https://www.pref.nara.jp/8094.htm
木造の耐震診断は壁の強さだけなく、壁のバランスや家の形状・重さ、柱頭柱脚の強度、基礎の強度、劣化状況等、様々な項目で評価します。
建築基準法で規定されている耐震強度を確保しても他の項目で評価が低いと倒壊のリスクがある判定になります。
実際、リフォームの解体現場や様々なお宅を見させていただいていますが
柱や梁の太さも違えば、組み方や劣化状況も異なります。
本来は、劣化部分の修繕取替が全てできればいいのですが、どうしても取替できない部分もあります。
耐震診断では評価しきれない部分も考慮しながら検討しなければならない部分が多くありますので、リフォームの仕事は本当に難しいと感じます。
かなり、耐震補強にお金をかけたからといって震度7の地震に必ず耐えられるということはできません。
様々な要因で本来の強さを発揮できない場合があるため、耐震診断での目標値1.0は震度6程度の地震に耐えられるかどうかを基準としています。
より、リスクに備えるために評点1.5を目標とした方が良いとの指針もあります。
ただ、この耐震診断は伝統工法の家はかなり評価が低くなります。多くの古民家と呼ばれる家が評点0.2前後であることが多いです。
その評点のまま壁を増やすと在来工法に近づき、引抜力の増大から、基礎がないとひっくり返ってしまう可能性がでてきます。
弊社ではケースバイケースで、耐える強さではなく、伝統工法の力を逃がす性質をも評価できる限界耐力計算も採用しています。
また、実際に家や周辺地盤との微振動波形で確認する動的耐震診断を用いる場合もあります。
家ごとに合わせながら、その家本来の強さも活かすことが大切だと私は思います。
「吉野の木を伝統技法で建てる工務店」輪和建設株式会社では、永く健やかな暮らしを求め、自然素材にこだわった奈良の木の家づくりをしています。
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