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2024.01.13

スタッフブログ

木造住宅の倒壊

設計の小林です。

 

年末年始は皆様いかがお過ごしでしたでしょうか。

私は年末、娘が高熱を出し一家で風邪でした。

年始早々からこんな感じなので、初詣は春日大社で無病息災を祈り、甘酒を作り養生していました。

身体が仕事を意識していたのか、年始から休まず出勤できたので良かったと思います。

 

年始の能登半島の地震では、多くの木造民家が倒れました。

熊本地震や関東地震の際、倒壊した建物が想定以上に少なく、耐震補強が進んで建築基準法の改正もあって、

全壊となるような倒れ方をする建物は減ったと思っていました。

しかし今回は一階部分が倒壊し2階がそのまま落ちた家や平屋でも完全に倒壊してしまった家屋があり、

倒れ方が30年前の阪神淡路大震災の際のようで、当時を思い出しました。

 

私は兵庫県の伊丹市出身で、もろに震度7を経験したので今でもあの激しい揺れの感覚が忘れられません。

市内の駅は1階が潰れ、民家も1階が潰れ2階が落ちた状態がありました。

能登半島地域では旧耐震と呼ばれる基準法改定前の基準のままの建物が多かったとも聞きました。

旧耐震は震度5を想定した建築基準法なので、今回の震度では耐えられなかったのでしょう。

 

木造だから弱いという意見も散見されましたが、そうではなく、

維持管理ができていたか、耐震性も確保されていたのか、無理な構造をしていないか、雨漏り、腐食はあったのか、柱梁の大きさ、家の形状、重量など

様々な要素があると思います。

 

来年から木造家屋の新築・リフォーム共に申請の際に構造計算の添付が必要となりますが(平屋200㎡以下は除く)

逆に言えば、今まで構造計算なしに建っている家も多くあるのです。

(本来の建築基準法上の解釈は、構造計算は必要だが、設計者の責任において、申請審査の際に省略するというもの)

リフォームの現場調査に伺った際には、設計図面には筋交いがあるのに、実際は無かった、途中で切れているということも多々ありました。

悪く言えば、いい加減でよかった時代がありました。

少しずつ、国の方針としてもそこを改善しようというのが、現れた結果だと思います。

今回の震災で改めて、地震の怖さ、設計する責任感を感じました。

 

 


「吉野の木を伝統技法で建てる工務店」輪和建設株式会社では、永く健やかな暮らしを求め、自然素材にこだわった奈良の木の家づくりをしています。
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