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2018.12.13

社長ブログ

家づくりセミナー

6月17日(日)に家づくりセミナーを開催しました。

1)家づくりのきっかけ

2)間取りの考え方

・生活の視点から

・経済的な視点から

・構造や耐久性から

・温熱環境から

といった内容でした。

1次取得者にとっては「いつかは1戸建てに住みたい」

多世帯の方にとっては「親の老後を考えて」が一番多いです。

次に間取りですが、自分の生活スタイルがはっきりしている人

はめったにいません。

数年前までは部屋が廊下などで区切られた間取りが一般的でしたが、

今では各部屋を一体的に使う間取りが主流です。

その方が床面積を有効に使えるし、通風や採光の面でも有利です。

ただ、とりあえず造ってみても家具類を配置するとうまく並ばなかったり、

使い道の少ない空間が残ったりするものです。

今あるお手持ちの家具、購入しようとしている家具などを配置してみましょう。

そして大事なのが、家にかけられる予算です。

総予算から、建物外にかかる経費を除いてみて家本体にかけられる予算を

算出します。

家本体にかけられる予算が2500万円なら、

坪50万の家なら50坪

坪70万の家なら35.7坪となります。

ここで要望を整理して要望を満たすために必要な家の大きさを考えます。

家の大きさは要望だけでなく、土地の条件にもよります。

敷地面積60坪、建蔽率60%ならば最大で72坪となります。

家の大きさ

家族のスペースとして、リビング、ダイニング、キッチン、和室

個室として、子供部屋、寝室、その他共用スペースがあります。

ここで間取り指数というのがあります。

上記の必要な部屋に対して肉付けできる部屋の指数です。

上記の部屋合計に対して、1.6~2.0の指数をかけることでその他の部屋

を含めた家全体の大きさが決まります。

1.6でトイレや洗面、収納まで造るのは最小です。

WCL、家事室、書斎、収納、縁側などゆとりを持った間取りにするには

2.0位の指数となります。

ゆとりを持った間取りにするには必要な部屋に対してほぼ2倍の家の広さ

が必要となります。

希望の指数に合わせて、考えている部屋の大きさを調整する必要が出てきます。

・必要な部屋の大きさ

・間取り指数

・建物の坪数

予算が合わない場合はこの三つを再度検討することになります。

_DSC1798.jpg

温熱環境の視点から

現代の住宅は高気密・高断熱住宅で基本的に空調設備を使って

室内の温度や湿度を調整するように考えられています。

しかし、間取りや開口部の取り方を工夫することでなるべく機械

設備に頼らない家づくりをすることができます。

南北方向の通風をまず考える。

そのうえで東西方向の通風を考慮すると風量は4割増すといわれます。

吹き抜けを伴う縦型の通風は風量が2割増加します。

同じ階層でも取り付ける窓の高さを変えることで空気は流れます。

次に日の入り方

家はなるべく敷地の北側に寄せる

そして平面形は東西に長くするのが日照・通風を確保する上での基本です。

平面形をL型にしたり、日照に向けて出墨や入隅を作ることも有効です。

N75_1993a.jpg

構造・耐久的な視点から

1階と2階の壁のラインがずれている(特に2階の外壁と1階の壁)

これがずれていると地震に弱く、本来ならば不要な材料を使うことになり、

コスト的にも不利になります。

地震で災害が起きた時に話題になる耐震等級と同時に「直下率」という

ものがあります。

2階の壁のうちどれだけ1階の壁が支えているかの割合を示しますが、

60%以上が理想とされています。

家の間取りを考えるときは2階から考えると、2階の外壁を支える1階の壁

が確保できるようになります。

2階の外壁の外側に不足する部屋や水回りを配置します。

言うのは簡単ですが、実際は難しいです。

構造上支障のないように間取りを配置しても「2階の子供部屋をもう少し

大きく」とか「ここに収納を」、「和室を6帖から8帖」にといった要望が

出てくると全体の構造を考え直すことになります。

実際は、このようなことの繰り返し、試行錯誤の連続です。

次に、構造材の耐久性を考えた家づくりです。

今の家は壁体通気といって空気を通すことで壁の中に湿気がたまらないように

工夫されていますが、必ずしも完全ではありません。

防湿シートや吹付状の断熱などは隙間なく施工できるというメリットはありま

すが、構造のことはあまり考えられていないと思います。

そして、建物の耐久性を考える

軒の出を大きくする

日本の多雨な気候では庇や軒の出は大きくとったほうが外壁を雨から守って

くれます。

防水性の良い外壁材やシーリングの普及で別に軒を深くしなくても大丈夫と

いう意見もありますが、屋根の代わりにはなりませんから深いに越したこと

はありません。