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2021.01.26

現場から

研石のお話

輪和建設の森下です。

先日、古い小鉋を10個ほどまとめ買いして、毎日使えるように研いでいます。ジャンク状態のものを購入したので錆を落としたりするのが大変ですが、工夫しながら研いでいます。

 

刃物を研ぐのには砥石を使いますが、段階や使う用途によって、荒砥・中砥・仕上げ砥を使い分けます。砥石の種類も人工砥石や天然砥石、ダイヤモンド砥石など様々な種類のものがあります。これらを使い分けて刃物が切れるように研いでいきます。

私は仕上げには天然砥石を使うのですが、人工砥石とは違った仕上がりになります。人工砥石は研いだ面が鏡のように光るのに対して、天然砥石は曇りがかったような仕上がりになります。しかし、天然砥石で研いだ刃物の方が長く切りやむことなく使えます。また、これはあくまでも個人的に感じたことですが、鉋の仕上げを変えて研いだ後に実際に削ってみると木材の仕上がり方が違うように感じます。人工砥石では、鉋をかけた後の仕上がりがプラスチックのようなつるつるした感じになります。一方で天然砥石で仕上げた鉋は人工砥石で仕上げた鉋よりもしっとりしたような感じになる気がします。

 

「研面の乱れは心の乱れ」という言葉があるのですが、砥石の研ぐ面がきれいな平らでないのは心が乱れているからで、それが研いだ刃物に表れて最後には仕事にも表れるといった言葉です。まだまだ研ぎものだけを見てもちゃんと研げるようになるには道は長いですが、毎日少しでも自分の道具と向き合って日々成長していきたいです。