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2021.08.10

古民家ブログ

社長ブログ

瓦の屋根

 

リフォームで瓦の葺き替えをしています。

瓦と言えば中国から伝わったものですが、これは日本

独自のデザインです。

 

588年に百済から4人の瓦博士が渡来したという記録が

日本書紀にあるそうです。

その4人というのは窯を築く、粘土を焼成する、焼く、

葺くの専門家と言われています。

そして法隆寺が建立される時にはその瓦博士の手を離

れて日本の瓦大工が独自の技術で製造したと言われます。

瓦は寺社・仏閣やお城に使われていましたが、江戸時代

になって桟瓦(現代の瓦)が考案されてから一般庶民の

家に普及するようになりました。

 

瓦と言えば昔、震災が起きるまでは土葺きが一般的で

たくさんの土を使って瓦を葺いていました。

私も経験がありますが、2トンダンプに何台もの土が

運ばれてきてました。

それが普通だったのですが、震災後、土葺きはほぼなく

なり桟葺きになりました。

屋根を軽くするためです。

野地板の上に防水紙(ルーフィング)を敷いて木で桟を

組んでその上に瓦を葺きます。

そのうえで瓦を釘またはビスで固定します。

現代ではこの葺き方が一般的ですが、土葺きの時代の屋根

には防水紙が使われていませんでした。

野地板の上には土と瓦だけです。

 

私の実家がそうでした。

2階の物置部屋などは壁や天井を仕上げないことがあって、

その部屋に入ると屋根の裏がそのまま見えていました。

屋根には土と瓦しか載ってないので、ところどころ光が

差し込んでました。

それでも普通の雨では雨もりがすることはなかったと思

います。

さすがに台風の時は入っていたんでしょうね。

昔の家は屋根に土もあれば壁も土壁です。

しかも真壁と言って柱が見えています。

少しくらい雨の水が入っても土が吸い込んでしまってわから

なかったのかもしれません。

しかし、現代の家はそんなわけにはいきません。