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2020.01.15

古民家ブログ

古民家のリノベ

昨年の6月から着工している古民家のリノベーションです。

打ち合わせが始まったのは2年前の10月でした。

 

古民家といわれる家はバブルの時代の次から次へ

と建てられた家と違って材料もいいものが使われ

ているうえにそれなりの腕を持った大工さんが施工

しています。

古民家というと黒く煤けた丸太の梁がかかっている

イメージがありますが、どの古民家もそうとは限り

ません。

京都の町家のように華奢な造りの古民家もあれば、

現代の住宅とあまり違わない造りの家もあります。

また構造も伝統的な造りの家もあれば、在来に近い

造りもあります。

 

解体工事です。

土壁の家の解体は大変です。

一度、リフォームで増築されているようで、土壁も

あればグラスウールの断熱材も見受けられます。

リフォームではどんな間取りにもできそうに思われがち

ですが、基本的な架構はあまり変えられません。

家を永く持たせるためにも変えないほうが安全です。

 

解体が終わって床の造作から間仕切りへと工事が進みます。

古民家は相対的に床下の空間が広く、乾燥していることが

多いです。

しかし、リフォームで無理なことをして通気を悪くすると

床下が腐朽することもあります。

必要に応じて梁補強などを行います。

古民家は暗くて寒いというイメージがあります。

開放的な間取りにすることで暗さは何とかなりますが、

寒さ対策は断熱施工するしかありません。

床下、天井(小屋裏)、壁と家全体を隙間なく包むこと

が大事です。

この家では開口部は断熱性の良いサッシ、天井はグラス

ウール2重敷き込み、床下はウレタンフォームで断熱し

ました。

既存の土壁はそのままにしています。

土壁の家は、土壁自体が耐力壁にもなっているので痛め

たくありません。

あえて断熱するならば施工費は嵩みますが、外貼りの断熱

がいいと思います。

土壁の調湿性も保たれます。

 

大工工事の完了です。

和室の1間をリビングに取り込みました。

かなり広いLDKになりました。

 

内装の仕上げが終わったところです。

壁は漆喰、天井は和紙で仕上げています。

外観はほぼそのままで室内を今風に使いやすく

リノベーションしています。

この後、建具の釣り込み、器具の取り付け、美装

で完成です。

 

古民家は構造がしっかりしている家が多いですから、

何度かのリフォームにも耐えることができます。

また、今後もリフォームできるように施工しておく

ことも大事です。

一時期の使いやすさだけを求めて安易にリフォームを

してしまっている家もありますが、そのリフォームの

部分だけが傷んでいることがあります。

通気を悪くして結露やシロアリの原因になっていたり、

大事な構造材を切断していたりといったことがあります。

何代にもわたって住めるようにと考えて造られた家です

から、大事に使っていかなければなりません。