HOME  >  ブログ  >  在来工法の家と伝統工法の家 補強の仕方は違う |伝統工法の耐震補強 奈良の木の家工務店、輪和建設

2023.02.14

古民家ブログ

社長ブログ

在来工法の家と伝統工法の家 補強の仕方は違う

トルコの震災は改めて地震の怖さを思い知らされました。

現地の映像を始めてみたとき組積造の建物が多いので

地震の少ない国かと思ってましたが、比較的多い国だっ

たんですね。

 

日本は世界でも有数(?)の地震大国です。

世界の震度6以上の大地震の2割が日本周辺で起きていると

言われます。

 

日本では震災が起きるたびに耐震基準が改正され相当の効果

を上げています。

実際、家を新築していても耐震等級3ともなれば少々の地震

では壊れないだろうと感じます。

現在建てられている家は在来工法と言って、コンクリートの

基礎の上に筋違や合板を使った家で固めることで地震や風に

対抗しています。

一方、基準法以前に建てられた家はコンクリートの基礎はなく、

石の上に直接柱を建てて壁は貫と土壁で造られています。

いわゆる古民家です。

筋違のように壁を斜めに突っ張る部材はないので比較的揺れ

やすい造りですが、通し貫や込み栓など木材同士のめり込み

で揺れに対抗しています。

現代の家の耐震は床面積に決まった係数を掛けることで必要

な壁量を確保できます。

また家は地震だけでなく風圧力にも耐えなければなりません。

これは家の横からの見附面積に床面積当たりの壁量を掛ける

ことで算出します。

意外と耐震の壁量を満たしても風圧力の壁量を満たさないこと

もあります。

(これは隣に家があるから風が当たらないので不要という判断

はできません。また、壁倍率1の壁は200キロの力がかかった時

に層間変形角1/120に抑えることができる壁となっています)

 

軸組木造住宅は土台と柱と梁で汲まれた四角い枠の連続です。

横から力がかかると平行四辺形の形に変形します。

上の辺と下の辺のズレが層間変形です。

在来工法の家は1/30以上傾くと耐力を維持することができません。

1/30とは3mの高さにある梁が10㎝横にずれた状態です。

そこまで傾くと筋違が破断したり、合板を止めている釘が浮き上

がったり、剥離したりするために急激に耐力が減少します。

一方、古民家のように土壁や貫で造られた家はその傾きを超えて

1/15までは一定の耐力を保持してくれる耐震性能が実験で分かっ

ています。

その傾きを超えるとどんな構造の軸組であっても倒壊の危険が

あります。

ですから在来工法である現代の家は必要な壁量を上回る壁を設けて

耐震を計ります。そして伝統的な家は1/15以上傾かないように土壁

や同等の耐力を持ったパネル、ダンパーを使って補強します。

また、伝統的な家を基礎や筋違を使って在来工法に変えて補強する

こともありますが、施工費はかなり高額になります。

 

 


「吉野の木を伝統技法で建てる工務店」輪和建設株式会社では、永く健やかな暮らしを求め、自然素材にこだわった奈良の木の家づくりをしています。
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