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2019.07.12

古民家ブログ

借景を管理する

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輪和建設の阿部です。
先日社内研修で桂離宮に行ってまいりました。
街中にあるのに桂離宮の敷地に入ってしまうと、ビルや民家がひとつも見えません。電線さえも見当たりません。
昔から変わらない風景がそこにありました。

案内くださった宮内庁の職員の方によれば、桂離宮の景観は「管理」されているそうです。茶室の窓から眺めるられる農地は桂離宮が所有する土地で、近隣の方にお貸しして耕してもらっているとのこと。土地が売りに出されたときに、「茶室からの景観が壊される」ことを危惧して買い取ったそうです。また、高いビルが建てば、そのビルを隠すように高い木を植えているそうです。

茶室から見える景色も管理する。意図する景色を見せる。作りびとの執念や思いが引き継がれています。

同時に、建物を建てるということへの責任を感じました。私たちが建てる建物は、周囲からどう見えるのか。周囲の景観を壊したりしていないか。
いろいろと考えさせられました。