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2021.08.23

家づくりのこと

耐震について

輪和建設の阿部です。長く住まう家に欠かせない耐震についてのお話です。

一般的に2階建ての木造住宅は、詳細な構造計算をしなくても建築が可能です。しかし輪和建設では長く安心して住まう家をつくるために、耐震等級3をクリアするよう柱の位置や梁のサイズなども含めて、1本1本の構造材を丁寧に見て構造計算をしています。耐震等級3とは、建築基準法で定められる地震力に対して耐えられる最低限の性能である耐震等級1の1.5倍の耐震性能です。震度6強~7の地震でも損傷がないまたは軽い補修程度ですむレベルで、現段階では最高等級に位置づけられます。

単にこの耐震等級3を実現するだけではなく、合板を用いない無垢材の仕様を軸に、耐力壁のバランス、壁や柱の直下率(1階と2階の耐力壁や柱が上下同じ位置にあるかどうか)も考慮して、自然に逆らわない無理のない美しい構造をつくることを軸にしています。合板は出来上がった時は強いかもしれませんが、経年劣化により耐力は次第に落ちてしまいます。また、直下率が悪い建物が大地震に不利であることは、先の熊本地震でも証明されています。

さらに、建物が頑丈につくられても足元で支える地盤がそれを支えるのに不十分では意味がありません。そこで、新築物件に関しては、建築前に必ず地盤調査を行っています。調査結果はお客様にお渡しし、調査において地盤改良が必要な場合は、必ず地盤改良を行った上で建築工事にかかります。

このように、単に耐震等級3を実現するのではなく、地盤、耐力、バランス、素材そして間取りのすべてに配慮して最適な耐震設計を行うように心掛けています。

 

リフォームについても、ご要望や必要に応じて耐震補強をご提案します。石場建といわれる石の上に柱がのっているような伝統構法の古民家では、時刻歴応答解析や限界耐力計算といった方法を用いて、制震ダンパー、荒壁パネル、格子壁などを用いて耐震補強を行います。コンクリート基礎がある在来工法の建物については、耐震診断ソフトを用いて筋交いや構造用面材を用いたり、必要に応じて基礎を新設または補強するような耐震補強を行います。それぞれの構法の特性に合わせた最良な耐震補強を提案しています。