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2026.06.28

輪和の雑学

建物の宿命

中西春代です。

先日の旅行で明治村を訪れたことは他の者も書いていますが、今一度明治村に移築された帝国ホテルライト館について書きます。

 

フランク・ロイド・ライトの設計で、1923年9月1日に迎賓施設として完成披露が行われました。

この1923年9月1日は関東大震災が起きた日でもあるのです。

ライトにより、軟弱な地盤に対応するため「浮き基礎」と呼ばれる独自の基礎構造で作られていたため、ライト館は関東大震災の被害はわずかな損傷ですみました。

そこで、完成披露の宴として用意されてていた料理は被災者の食料となり、ライト館は初日から関東大震災の避難所となったのでした。

予算の都合で反対されながらもライトの強い意志で完成したエントランス前の池は防火用水として利用されました。

誕生の日から思わぬ役目を発揮したライト館。

しかし、後の研究でライトの「浮き基礎」は完全な浮き基礎ではなく、逆にこの基礎が災いして地盤沈下が起こり築50年も満たないライト館の解体の一因になったと言われています。

因みに、耐震を保ったのは、幅の広い多くの壁と、鋼板で葺かれた屋根が軽量であったことだそうです。

 

満身創痍で人々を守り、人々を迎え、もてなした、帝国ホテルライト館。

ホテルの内に入ると、様々な角度からの光が反映し、光と影に心奪われ、日常から芸術の世界へと誘われます。

 

日々、色んな建物に接していると、建物に意志があるように思える時があります。

私たちが、お客様の建物を設計施工させていただく時に、お客様の要望を組み取り、お客様の命を守ることを最優先し、自然との調和を計ります。

その中で、少しずつ建物に命が吹き込まれ、建物が使命を持ち始めるのではと思います。

 

設計施工するものは我を捨て、自然との調和を計り、建物の使命を存分に果たせるよう学び続けていかなければなりません。

ライト館との出会いを通して、輪和建設の使命を果たすべく、精進していこうと背筋が伸びました。

 

 

 

 


「吉野の木を伝統技法で建てる工務店」輪和建設株式会社では、永く健やかな暮らしを求め、自然素材にこだわった奈良の木の家づくりをしています。
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