2023.03.27
輪和の雑学
窓のない家
輪和建設、大工の國分です。
最近、会社の社員同士の会話で窓の断熱性能についての話が上がっていました。窓は断熱的に最大の弱点で、壁や屋根などと同程度の断熱性能を有する窓にするには、それはそれはえげつない窓を取り付ける必要がでてくるようです。監督が冗談混じりに「やっぱり窓を無くすしかない。」と言っていたのが面白かったです。なんて事を言ってるんだと思ったりもしました。笑
しかし、ふと道すがら昔ながらの家を眺めて、かっこいいなぁと思っていた時、窓がほとんど無いことに気づいてしまいました。そう!昔の家は窓が無い!正確に言うと2階に大きな窓がない(小さい)のですが、それによって生み出される、屋根の大きなズッシリとしたフォルムは美しくてカッコいいです。
美しくてカッコよくて、そして断熱の弱点である窓が少ない(容積のわりに)。やはり昔の家は最先端なのだなと思いました。

こちらは茅葺屋根のお家(今は茅の葺き替えが大変なので、トタンを上から貼ってあります)ですが、茅葺でも雨がしっかりと流れるように勾配を急にしてあり、かつそれによってできた大きな屋根裏空間は蚕の養殖のための空間として使われたりしていました。妻側に小窓があるのはこの屋根裏空間の換気の為です。

こちらは厨子(ツシ)2階のある住宅です。厨子2階とは屋根裏に作られた天井低い2階の事で、物置であったり、使用人の居室であったりしました。江戸時代に町家で2階を作る事が禁じられていた為、その役人の取り締まりをかわすための工夫ですね。写真は町家ではないですけども、江戸時代によく作られた家の形なのでしょう。禁じられていた理由は武士を見下ろすな!と言う事だそうで、物置スペースとしてなら良いということです。
ちなみに、明治時代に入るとそのような気兼ねはなくなり、2階の天井は高くなり、建物の棟も高くなりました。大きな窓のある、天井の高い2階の部屋は文明開花の象徴なのかもしれません。
話は戻りますが、もしあの大きな屋根の、ズッシリとしたフォルムの、窓面積が小さく断熱性能を上げた家を作りたいとなった場合、一つ問題点があります。それは法律です。うろ覚えですが、居室一つに対して、どれだけの大きさの窓を設けなければいけないといった決まりがあったはずです。
最近のお家では2階は子供部屋であったりする事が多いですからね。
しかし、ここで重要なのは「居室一つに対して」という文言。つまり物置なら話は別という事ですね。江戸時代を思い出します。笑
なので、設計時に2階を子供部屋ではなく、物置として設計して建ててしまえばよい訳です。
今の時代、武士を見下ろすな!と怒られるわけでも無いので、そんな中せっかくの2階のスペースを、天井を低くして、窓を小さくして採光を減らすなんて選択をわざわざする必要はないのですが、ゼロではないかなと思います。
何だか秘密の空間みたいでワクワクしますし、天井の低い空間は落ち着きます。
「吉野の木を伝統技法で建てる工務店」輪和建設株式会社では、永く健やかな暮らしを求め、自然素材にこだわった奈良の木の家づくりをしています。
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