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2021.06.13

スタッフブログ

地球にやさしい建物の評価基準

輪和建設の阿部です。

建築物を評価するひとつの手法としてCASBEEというシステムがあります。(私はCASBEE評価員登録しています)

このCASBEE評価の観点には①建築物そのものの品質 と ②建築物が環境に及ぼす負荷

の2つがあります。
①は

室内の快適性(断熱性能、遮音性能、通風や換気、化学汚染物質対策、防犯など)

建物の長寿命性能(耐震等級、屋根や外壁の素材、維持管理対策など)

建物の機能性(広さ、バリアフリー対応など)

といった建物の基本的な性能に加えて、景観や生態系への配慮、地域の安全といった建物周辺環境への配慮も評価対象になります。建物の色や外観を近隣街並みと調和させたり、地域の防犯のため隣家侵入の足掛かりを作らない、庭に木を植えて生物環境を確保するといったことが評価されます。室内だけではなく建物が影響を及ぼす町内や生物への配慮も求められます。

 

そして②は、建設段階から含めて建築物が地球環境に与える影響をいかに小さくしているか、という観点です。

木造住宅は鉄骨造やRC造と比較して二酸化炭素排出量は少ないことからプラス評価になりますが、それに加えて

「構造躯体に持続可能な森林から算出された木材が使用」されているか

「構造用木材にバイオマス乾燥木材または天然乾燥木材を採用」しているか

といった評価項目があげられています。

 

弊社では構造材には、地元奈良の吉野の木の天然乾燥材を採用しています。これは、地域の気候に合った木を採用することは自然の理にかなっており、天然乾燥は木が持つ粘り強さや香りを活かす最適な方法であることから家づくりに適しているという判断で採用しています。CASBEEの評価基準から、地元産の天然乾燥材の採用は、地球環境への負荷が軽減されるという点においても評価されるべきことであるのがわかります。

 

建物を建てるということは何かしら地球環境に負荷を与えます。その負荷をどのくらい減らしていくのか、という観点から、地元の木で、そして燃料を使わずに乾燥させる地球にやさしい天然乾燥材で建てるという選択が広まることを願います。