2021.05.13
スタッフブログ
耐震補強のこと
輪和建設の小林です。
先日耐震補強についてお問合せがありましたので、少し耐震補強についてお話しします。
木造軸組み、2×4、軽量鉄骨、重量鉄骨、RCと住宅の工法はとても沢山あります。
中でも、木造軸組みは年代や地域、大工さんの考え等で家ごとに全く異なります。
ですので、その家の構造要素を把握したうえで、適した計算方法や検討を行わないと変な力のかかり方になってしまいかねません。
一番の理想は、全体的にバランスよく、満遍なく強すぎない耐力要素を設ける事が一番かと思います。
偏心率といって、耐力壁などの耐力要素に偏りがないか確認するのですが、
昔はそのあたりを配慮されていないので、極端に南が壁が少なく、西に壁が多すぎる、北も壁がないといった家が多く、バランスが悪いことがほとんどです。
バランスが悪いとどうなるかというと、地震などの大きな振動が来た際に大きくねじれバランスが崩れ崩壊しやすくなります。
出来るだけ、家の重心と剛心(地震に耐えようとする、その建物が持っている強さの中心点)を合わせてバランスを良くしてあげることが大切です。
また、壁を補強する際には、補強壁の引抜く力に耐えられるだけの基礎があるのかということも検討しなければなりません。
基礎の劣化状況を見て、補強したり、新設したりしています。
(TOPの写真は、FRPグリッド材を用いて無筋の基礎も有筋基礎同等の耐力を持たせる補強方法です)
基礎がない石場建ての場合は特に、一か所に集中して強い壁を持ってくることは家全体のバランスを崩すことになりますので、そういった補強方法はしないようにしています。
家それぞれに計算方法を変えたり、面材を変えたりもしています。
判断に悩むときも多々ありますが、、、。
ちなみに、防災協会から、知識のない方でも簡単に診断できる書式があります。
気になる方は、一度↓の書式を使われてみてもいいと思います。