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2025.05.1

スタッフブログ

町並みを考える

設計の阿部です。

昨年、重要伝統的建造物群保存地区にて新築をさせていただきました。

町並みに配慮した意匠は、出来上がって初めてその価値が実感されます。

完成見学会の際に、古民家リフォームと勘違いして来られた方もいらっしゃいました。ある意味成功です。

目立ってはいけない、悪目立ちもいけない。

格子の幅、高さ、鎧戸の数など小さなところへの配慮の積み重ねが、全体の意匠バランスを形成しました。そして、自分の価値観は捨て去り、これまでのデザインに倣うという大切さも学びました。

古民家の案件で、外観の雰囲気を継承するという提案もさせていただいております。

行政の文化財保護担当者の方と打ち合わせをするのですが、文化財の方は基本的に「できるだけ古いものを残す」という考えをお持ちです。建築的には「傷んでいる梁や柱は残さない」という考えなので、「これは取替だな。」と思っていても「残せませんか。」と言われます。新しくする基準の違いを大いに感じますが、むやみに新しくするのではない、文化財の方々の古いモノや古い技術を大事にする考えはとても大切だと思います。

一方で、伝統的な仕様を受け継ぐ技術を持つ大工さんや建具屋さんが少なくなっているという現実もあります。先にあげた重要伝統的建造物群保存地区で新築を建てる際に、大手メーカーさんはできないと断られたそうです。昔ながらの町並を残すには、技術も残さなければなりませんので、大工さんや建具屋さんの仕事を引き続きつくっていくことも大事だと思います。

 

 

 


「吉野の木を伝統技法で建てる工務店」輪和建設株式会社では、永く健やかな暮らしを求め、自然素材にこだわった奈良の木の家づくりをしています。
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