2024.08.23
スタッフブログ
木のくせに人のくせして
こんにちは!
中島です。
大工の見習いを始めた時、大工さんが木材を手に取り、片目を瞑って怖い顔で睨んでいました。
不思議だったので、何してるんですかー?と聞くと、「通り」をみてるねん。いっぺん睨んでみ?と言われました。
現在建築用材として使われているほとんどのものは規格寸法に製材されてきています。
そのことから、まっすぐに製材されているんだから木材はまっすぐなんだ、と思っていました。
ですが見様見真似で睨んでみると、どの木材を睨んでもまっすぐなものがない!!!
驚きました。
「木の癖」ってやつです。
同じ寸法の木材を並べていますが、にょーんて曲がってますよね。
90°転がすとさらに癖がでます。
大工はこの木の癖を見極めながら家を建てていきます。
上の写真は造作の下地材ですが、構造躯体の梁や桁にも当然癖があります。
一見まっすぐですが微妙な癖があります。
背と腹、末口と元口(木の上下のこと)今後どの向きに癖が出てくるかを見極めます。
木の癖は成長過程によって変わるみたいです。
なんか人間みたいですね。
平地でまっすぐ伸びた木は癖が少なく、斜面に生えたり、日当たりによっても木の癖が大きく出ます。
癖の少ない素直な木がいいかといえばそうではありません。
癖があるならそれなりに適した使い方があります。癖を活かして使ってやれば素直な木よりも強さを発揮してくれます。
素直な木は素直な木で狂いが出て欲しくない場所にあてがいます。
造作でも天井の使い方、壁の使い方、床の使い方それぞれ適材適所に割り振りながら進めていきます。
一服中に親方と話していたら癖の話になって、人間も癖のあるやつの方が案外強かったりするやん。要は全体をどうまとめるかや。と言われていました。
型にはめて足並みを揃えるのも一見綺麗に見えますが、より強く使えるのは癖は癖なりに活かしていく事かもしれません。
木と同じで人も怖い顔して睨んでみると癖が見えて来るかもしれませんよ。
いっぺん試してみてください。笑
「吉野の木を伝統技法で建てる工務店」輪和建設株式会社では、永く健やかな暮らしを求め、自然素材にこだわった奈良の木の家づくりをしています。
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