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2022.12.14

スタッフブログ

日本の街並み

輪和建設、大工の國分です。

 

吉村順三さんという建築家の方の本を読みました。

最近の方ではなく一昔前に活躍された方なのですが、書いている内容は今にも通じる事ばかりでした。

 

 

その中に今の日本の街並みはどん底だという発言があり、これに対しては多くの人が首を縦に振るのではないのでしょうか。

皆さん、ヨーロッパとかのあの統一された街並みに魅力を感じたことはあると思います。

昔の日本の街並みはヨーロッパに負けないくらい美しいものでしたが、家づくりの自由度が増し、かつ地域のなかでの共同体としての住民の意識の希薄化が、今のドン底な日本の街並みを作ったのでしょう。そして、そんな兆候が吉村順三さんの時代からあったのだなと感じました。

 

かつては、日本の街並みもとても美しいものでした。

それはやはり地場の材を使い、木造の限られた工法の中でやりくりしていたからというのがあると思います。

 

また吉村順三さんは昔は町でも村でも「講」という集まりがあって、コミュニティを意識し、町の風景を意識し、みんなで共同で家作りを行っていく機会があったと述べておりました。

 

人々の意識の変化がこのように街並みにも現れてくるのだなと感心しました。

人の性格は顔に出ると言いますが、その街の性格も同じく街並みに現れてくるのでしょう。面白いです。

 

 

最近、私は昔ながらの美しい町並みの残る、斜面地の集落内の現場でお仕事をさせて頂いているのですが、大工さんがぽろっと溢した、「ここは全部同じ工務店(大工衆)が建てたんやろな」という言葉が印象に残っています。

昔はその地域のお家はその地域の大工さんが行なっており、お弟子さん達がその工法を脈々と受け継ぐ中で、ちょっと自分なりにのアレンジを加えたりというのがあったため、統一感がありつつもバラエティに富んだ家々が建ち並ぶ結果に繋がったのですね。

 

今では大手ハウスメーカーが様々な土地で縦横無尽に自社独自の工法で建ててしまっていますから、統一感が生まれるのは難しいかもしれないですね。

 

そう考えると日本の美しい街並みの復活の鍵は地場の工務店に掛かっているのかもしれません。

 


「吉野の木を伝統技法で建てる工務店」輪和建設株式会社では、永く健やかな暮らしを求め、自然素材にこだわった奈良の木の家づくりをしています。
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