HOME  >  ブログ  >  思いを一つに | 日本の家/ヴァナキュラー建築/気候風土/デザイン/自由/無秩序な都市奈良の木の家工務店、輪和建設

2022.11.20

スタッフブログ

思いを一つに

輪和建設、大工の國分です。

 

今読んでる建築本の冒頭で、「無秩序な都市」というフレーズがでてきたので、この無秩序をテーマに今回は書いてみようと思います。

 

恐らく、日本の街並みは無秩序で魅力が無いと、建築を学ぶ学生達ならば誰しもが一度は抱いた事があるであろうこの感情。

都市部の街並みに限らず、住宅が建ち並ぶ住宅街も例外ではないのですが、結局この無秩序さというのは、家づくりの自由度が増した事が最大の原因なのでしょう。

 

昔はそれこそ、その土地気候風土に適したデザインの家(ヴァナキュラー建築)しか建てれません。そうしないとすぐ家が駄目になってしまうし、材料が無く建てる事すらままならないからです。デザイン面において、家づくりに自由度は無かったと思います。自然とそうなっただけで、当時の人は自由度がないと感じてもいないでしょうが。しかしその分、その土地その土地で統一感のある街並みが構成されるのです。

 

今は技術も上がり、その土地の気候風土を考慮せずとも何とかなるので、各々が自由に家のデザインを決めて作っています。軒の出が無い家、片流れ屋根の家など、気候を考えると日本ではいささか問題ですが、建てれてしまいます。また色々なところから色々な材料を入手できるので、洋風だろうと和風だろうと北欧風だろうと、風土関係なく何でも建てれます。

 

これは決して悪い事では無いと思います。何せ家を買うなんてとても大きな行為です。自分の好きなデザインの家が誰しもが欲しいはずですし、そういう意味では各々に自由がある事は嬉しいことです。

ただ、結果として、街並みとしてトータルで見たとき、無秩序になります。良い悪い、好き嫌いは抜きにして。

 

何だか今の街並みは今の日本人のようだなと感じます。

昔に比べて今の日本人はとても自由になったのだろうと思います。各個人としてはこの上なく嬉しい事ですか、周りからみたら皆んな別々の方向を向いていてまとまりが無い。そんな感じです。

昔こそ、行動一つ一つを制限されていたわけではないでしょうが、考えとして愛国心というのが殆どの人は教育の過程でもたらされていたのではないかなと感じます。要は日本を良くしたいという気持ちですね。

 

家づくりにおいても、デザインという行動を制限するのではなく、何か大切にしたい思いを全体で持つ事が良い街並みの形成には重要な気がします。デザインを制限しようとしても、不自由さを感じてしまいますし。

 

私としては、家づくりを通して日本を、そして地域を良くしたいという思いが1番シンプルで分かりやすく良いのではと思います。

きっとそうすると、地域の材料を使ったり、国産の木を使ったり、健康に害のない自然素材を使ったりと、自然となってくるような気がします。そして自然と統一感のある日本ならではの街並みになるような気がします。

 

行動を決められると、自由がないようで嫌ですか、一つの思いを共通して持つ事は大切だなと感じます。

 

 


「吉野の木を伝統技法で建てる工務店」輪和建設株式会社では、永く健やかな暮らしを求め、自然素材にこだわった奈良の木の家づくりをしています。
奈良・大阪・京都他で注文住宅の新築、リフォーム、古民家再生、古民家リフォームの施工事例はこちら↓

施工事例を見る