2019.07.27
スタッフブログ
負けない木造り講演会に参加してきました
輪和建設の西川です。
先日、川上村のやまぶきホールで行われた、負けない木造りの講演会に参加してきました。
弊社で扱う柱や梁などは川上村の吉野杉・桧です。
なぜその木を使うのか、
それは地域の木材であることと、木目が細かく強度の高い木であること、美しい木目であること
この三点が主な理由です。
また、その上質な木を弊社では、天然乾燥させ、強度が損なうことのないよう、より粘り強さを発揮してくれる材にしています。
ただ、これだけ構造強度が他の木と比べ高いとわかっていても、国が現状認めてくれていません。
構造計算を行う際、木の等級などで強度を入力しますが、”無等級の杉””無等級の桧”でしか入力ができないです。
どこの木なのか、どんな密度の木なのか、樹齢何年の木なのか、全く関係なくフラットにした数値です。
ですので、強いとわかっていても、かなり不利側の低い数値として扱うしかないのです。
構造計算上、安全側なので、計算結果より強い構造強度であるという判断でしか現状できないです。
しかし、今研究段階ですが、川上村出身の京都大学教授の研究で、吉野の木の強さも構造強度に加味できるよう研究が進められているそうです。
そして、美しさだけでなく、強さからもアピールを行い、吉野の木のブランド力を高めていきたいと語っておられました。
日本の構造はコンクリート造や鉄骨・鉄筋の計算技術を高めてきましたが、木造はまだ解明しきれていません。
職人の感覚からの口伝えによるものがほとんどです。
現場で木の性質を見抜いてこそのところもあるので、数字で解くのはかなり難しいところもあります。
しかし、一歩ずつ、木造の良さ、利便性が再認識され、構造分野でも研究が進んでいます。
戦後、住宅普及のため、木造住宅は構造計算すら不要の時代になってしまいましたが、
昔は、学のあるものしか大工ができなかったように、木造こそちゃんと計算し、ちゃんと計画すれば
強く、何年も残していける素晴らしい工法であると思います。
構造用合板のような単発的な強度ではなく、やっと近年で木の持つ粘り強さの評価を見直し始めている印象もあります。
木造住宅の設計者としてこれからも勉学に励みたいと思います。