2022.07.11
スタッフブログ
石膏ボード
輪和建設、大工の國分です。
最近現場では石膏ボードを貼っていました。
欠けやすくて、加工時に粉塵も舞い、中々に扱いに苦戦させられるこの石膏ボードですが、家作りには無くてはならない存在です。
そんな折、ふと石膏ボードを加工するために使っていた鋸を見てみたら、何と錆びているではありませんか!
先輩の大工さんに話したところ、石膏ボードは錆びるで〜!と言われました。
何故こんなに錆びやすいんだと思い調べて見たところ、石膏ボードは弱酸性のようです。
ちなみに、皆んなの大好きな漆喰は強アルカリ性です。
鋸が錆びるのも納得です。
なので石膏ボード加工専用の工具は基本的に錆びないようなコーティングがされています。
ちなみにこの弱酸性の石膏ボード、二水石膏(CaSO4・2H2O)という物質で構成されています。ここに含まれるSO2は二酸化硫黄で、四日市ぜんそくの原因の物質で、これが大気中で酸化されると硫酸(H2SO4)となり、酸性雨の原因になるそうです。
え、石膏ボード危ない?と一瞬思うのですが、これは大気汚染などの公害問題を何とかしよう!となったときに排煙から脱硫をするための方法の一つとして石灰石-石膏法というのがあり、その過程で生まれるのが二水石膏というわけです。
即ち石膏ボードは、日本を公害から救いつつ、さらには建築の材料にもなるという、一石二鳥の凄い材料ってことですね。
しかし、石膏ボードとして使う分には、無害なのですが、産業廃棄物となった石膏ボードの処理には色々と問題があるそうです。
使う材の良い面悪い面をしっかり知りながら、うまく付き合っていきたいですね。
「吉野の木を伝統技法で建てる工務店」輪和建設株式会社では、永く健やかな暮らしを求め、自然素材にこだわった奈良の木の家づくりをしています。
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