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2021.05.6

社長ブログ

床柱

今では新築の家でも床の間付きの和室を造ることは

ほとんどなくなりました。

しかし、つい20年、30年前まではなくてはならない

もののように造られたもので、建売住宅でも床の間付

きの和室はありました。

この床の間に必ずあるのが「床柱」です。

正式には角柱、しかも3面または4面とも木目が正目の

柱を使いますが、杉の丸いとこ柱を使うことが多かっ

たです。

いいものは「天然絞り」と言って天然の状態で表面に

起伏が付いた床柱が上等とされていました。

一方、人工的に造った「人造絞り丸太」もありました。

 

 

杉の木の表面に丸い箸状のものを巻き付けることで

成長するにしたがって表面に起伏ができるようにな

っています。

当時、30年ほど前ですが、それこそ一山丸ごとこの

ような加工が施されていたのを見たことがあります。

それくらい需要があったんですね。

 

 

当時は銘木屋さんもたくさんあって、床柱や天井板、

ランマなどを扱ってました。

今では銘木屋さんもほとんど見かけることがなくなり、

たまに注文があると探さなければならないほどです。

 

店に行くとたくさんの床柱が建てられていてその中から

施主さんに好みの柱を選んでもらったりしてました。

ところが、この床柱は人造であっても基本天然の木です

から、乾燥状態によってひび割れが入ることがあります。

保管している状態ではきれいでも、現場で施工するとそ

この空気の乾燥状態でさらに乾燥が進んでひびが入ります。

これがまた、人が生活し始めると生活の湿気で塞いだり

もしますが、ひび割れたまま引き渡すこともできず、取り

換えたこともあります。

 

いずれにしても天然のものはいいのですが、デリケート

なんですね。