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2020.01.11

社長ブログ

伝統的な造りの家

2月に上棟予定の家の刻みをしています。

柱の「ほぞ」ですが、形も長さもかなり変わっています。

伝統工法といわれる家の仕口です。

ほぞが長いのは柱の上に乗る桁を貫通してその上に乗る梁

を一緒に固定するためです。

またほぞに開いている穴は込み栓と言って柱が抜けないよう

に固定するための穴です。

こちらが一般的な家の柱の「ほぞ」です。

在来軸組み工法といわれるものです。

現代の木造軸組みではほとんどの家がこのような単純な

継手や仕口で家が造られています。

金物を使って固定するからです。

 

上の写真のような木の加工は今ではほとんど採用されな

くなりましたが、今でも古民家といわれるような家では

このような加工がされています。

こんな複雑な形は試行錯誤の上生まれたかもしれません

が、「ほぞ」というもの自体は紀元前からあるようです。

 

現代の軸組の家は大量生産のために加工自体は単純に

して金物で固定する家づくりになってきました。

地震や台風に対して家を固めることで安全を確保する造り

です。

一方昔の家は、木の粘りを生かして揺れはするけれども

なかなか倒壊しない造りです。

どちらの工法でも家づくりはできます。

そしてどちらで造っても継手や仕口が見えなくなれば完成

すれば違いは判りません。

どちらが造るのが簡単かと言われれば在来工法の方が簡単

です。

墨付けや手刻みをしなくてもプレカットという方法もあり

ます。

そこへ、伝統的な工法は造る職人さんの技量にも左右され

ます。

また、そのような職人さんも少なくなってきています。

しかし、これが途絶えるということもないと思います。

この技術を残していこうとする人もたくさんいます。

そしてこのような木組みが好きな消費者の方もいます。

造る側が消費者の方に「どう伝えるか」だと思います。

造る側の自己満足だけでは成り立ちません。

施工場所では基礎工事が完了しています。

基礎も普通の家とは違って間仕切りの立ち上がりはほとんど

ありません。

筋違がないからです。

四角いコンクリートの独立基礎には通し柱が建ちます。

 

梁や桁の加工ができればまた、掲載せてもらいます。