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2018.02.23

社長ブログ

大山崎山荘美術館と聴竹居

昨日は、社内研修で大山崎山荘美術館と聴竹居の見学に行ってきました。

どちらもご存知の方がいると思いますが、大山崎山荘は下は実業家の

「加賀正太郎」という方の所有でしたが、没後さまざまな所有者の手に渡り

バブル期には更地にしてマンションを建てる計画まであったところ地元住民

山荘の価値を訴えて当時の知事とアサヒビールの社長が保存に協力すること

になり、現在に至っています。

これには加賀正太郎とアサヒビールの初代社長「山本為三朗」とが交流があ

ったことも幸いしています。

ですから、館内は加賀正太郎と山本為三朗の年譜が飾られています。

また美術品も山本為三朗が収集した「濱田庄司」の陶芸が展示されています。

この山荘、加賀正太郎が若かったころ小説家の夏目漱石を招いて山荘の命名を

お願いし、漱石は14個の案を出したそうですが、結局どれも採用されなかった

ようです。

その翌年、漱石は他界し山荘は翌々年に竣工しています。

この山荘と隣り合わせにあるのが「聴竹居」という民家です。

建築家「藤井厚二」の自邸です。

こちらは家の中の写真は撮ってもいいのですが、公開は禁じられています。

ボランティアの方が家の中を回りながら詳しく説明してくれました。

こちらが建築関係ということでボランティアの方も設計関係の方でした。

こちらの反応が良かったからか、説明も饒舌でした。

昭和3年に竣工した家で、しかも当時のままなるべく手を加えずに経年している

ので確かに傷んでいるところもありますが、現代の住宅に通ずるところがたくさん

あります。

リビングを中心にダイニング、応接間、小上がりの和室といった配置はこの時代で

は斬新だったことでしょう。

宮大工さんを自邸に住まわせて打ち合わせを重ねながら、自邸を作っただけあって

拘りの塊です。

教えてもらって始めて気が付くことも多く、感心しきりでした。

今は竹中工務店の所有になっているそうですが、この藤井厚二さんも元竹中工務店で

設計に携わっていたそうです。

この「聴竹居」という名前の由来を尋ねたところこれはご本人の名前でもあるそうです。

木造建築に携わっている方は一度は見学に行って見てはどうでしょうか。