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2019.06.5

社長ブログ

法隆寺の格子

法隆寺にある木製の格子です。

今では製材の機械が発達していて格子を加工するのはそれほど

難しい仕事ではありませんが、法隆寺が創建されたころそのよ

うな道具や器具はまだありませんでした。

有名な宮大工の西岡棟梁の本にこの格子のことが書かれています。

現存の法隆寺は何度か改修されているのですべてが創建当時のもの

というわけではありません。

ただ、どこか一部にだけ創建当時のものであろう格子が残っていて

よく見ると道具(のこぎり)を使って製材したのではなく、縦に

ひき割って使われているそうです。

削るくらいはしたのかもしれませんが、大きさをそろえてほぼまっすぐ

にひき割るというのも難しかったでしょう。

いい材料がないとできません。

それがなんとも味があっていいんだそうです。

法隆寺に行かれた際には、そんな目で見て回るのも面白いのではないで

しょうか。

「のこぎり」と言えばエジプトやギリシャでは紀元前からあるそうですが、

日本で使われだしたのは6~7世紀ごろで、のこぎりによる製材が一般的に

なったのは室町時代中期以降だそうです。

「春日権現験記絵」に大工さんが木を加工している絵が描かれていますが、

ヤリガンナやチョウナを使っている人はたくさんいますが、のこぎりを使っ

ているのは一人くらいです。

差し金や墨ツボを使っている大工さんもいます。

差し金や墨ツボこれはこの頃からあったんですね。

墨ツボは糸で伸縮自在の直線、時に大きな曲線が引ける道具ですが、よく

考えられたものだと思います。

これも発祥は古代エジプトのようです。