2019.08.22
社長ブログ
尺貫法
日本古来の計量法では長さは「尺」、質量は「貫」、面積は「歩」
または「坪」、体積は「升」を使っていました。
これが明治24年に1尺は10mの33分の1(30.3㎝)、1貫は3.75kg
1歩(1坪)は3.3平方メートル、1升は1.8Lと定められました。
これは現在ほとんどの国で使用されていますが、一部の例外として
真珠の取引単位があります。
真珠の取引には直径をセンチ、ネックレスの長さをインチ、質量を
グラム表記していたそうですが、日本が真珠の取引の中心的役割を
果たすようになり、現在世界的にも質量は「もんめ(momme)」と
いう単位が使われているそうです。
単位記号はmom、漢字では「匁」です。
しかし、ほかにも食パンを1斤と数えたり、1.8Lを入れる瓶を1升
瓶などと使われています。
そして、木造建築に携わっている人は今でも尺、寸、分、坪は当たり
前のように使います。
私もこの業界に入ったころはこの寸法に戸惑いました。
大工さんが言う寸法がすべて尺、寸、分、それから丈でしたから、
いちいち頭の中でセンチやメートルに換算していたものです。
しかし、30年経てばさすがに慣れました。
大工さんが使っている差し金(曲尺)も今ではセンチ単位で刻まれた
ものもありますが、尺の表示が多いです。
この「差し金」よくできたもので裏側の長手には表目に約1.4(ルート2)
を掛けた裏目が刻んであり、短手には円周率で割った丸目が刻んであっ
たりと多用途に使えるものです。
建築の世界ではほかにも、関西間、京間、四国間、関東間などがあります。
京間というのは畳のサイズが6.3尺×3.15尺(1910mm×955mm)の畳割り
で寸法を決めるので柱芯で考えると、柱が4寸(120)ならば柱芯は985mm
モジュールになります。
関東間は畳ではなく柱芯で寸法を決めます。
尺モジュール(910mm)となり、今も一般的に使われています。
聞きなれないかもしれませんが「鯨尺」という単位もあります。
着物の世界で使う単位で鯨尺の1尺は大工さん使う尺の1尺2寸5分に相当
して37.88㎝あります。
ほかにも業界独自の寸法表示があるのかもしれませんが、こんなにいろんな
寸法表示がある国も珍しいのではないでしょうか。