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2019.09.2

社長ブログ

昔の家づくりと現代の家

先日お引き渡しさせていただいた家です。

古民家をリフォームさせてもらいました。

古民家というと造った当初は通り土間があります。

特に奈良県は農家さんが多いのでほとんどの家に土間があります。

私の実家も通り土間と竈がありました。

農作業から帰ってくると土で汚れてますから土間で食事をするのが

普通でした。

夜は土間と隣り合わせになった板の間にちゃぶ台を置いてそこで

食事をしていました。

時代とともに生活の様式も変わって古民家もリフォームによって

土間はほぼなくなりつつあります。

台所もいつまでも竈があるはずもなく、床を造ってそこに流し台

を置くようになりました。

主婦の方はこれだけでも炊事は楽になったと思います。

床があるだけでも冬の寒さは違います。

土間はやはり寒いですから。

そして壁や天井はそのころ出始めた新建材の板で覆われて見た目は

きれいになりました。

しかし、そのリフォームのせいでシロアリの被害にあっている家も

あります。

それからまた時代とともに古民家が見直されるようになり昔の構造材

を見せる造りが増えてきました。

このような古民家は築100年くらい経っていることが多いです。

よく長持ちしていると思います。

材料が大きくて丈夫にできているというのもありますが、ほとんどの

構造材が建材や断熱材で覆われていないので結露や蟻害が少ない、

何かあってもすぐにわかるというのも理由でしょう。

ですから、現代の家のように気密や断熱の施工をするときは構造材が

傷まないように施工しないと急に寿命が縮むということもあります。

金物などは今では普通に使われますが、本来木と金物は相性がよく

ありません。

結露の原因にもなります。

古民家は現代の家と違って大変住みにくいですが、100年後もリフォーム

できるような家は現代の家にはないかもしれません。

長期優良住宅と言っても100年は無理ではないかと思います。

定期的なメンテナンスをする意識があれば可能かもしれませんが。

昔の人は孫の代までと思って家を造ったと聞きますが、現代の人は自分の代

が住めればいいという考えの人がほとんどですからこれも時代の流れですね。