HOME  >  ブログ  >  家を造るには技術のいる無垢の木と「太子講」 |無垢の木、墨付け、手刻み 奈良の木の家工務店、輪和建設

2022.11.15

古民家ブログ

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家を造るには技術のいる無垢の木と「太子講」

今日ある材木屋さんにお邪魔してきました。

柱や梁、化粧に使う枠材などがたくさん在庫されています。

昔の大工さんならば喜んで使ったであろう木材がたくさんあります。

しかし現代では新建材や集成材が扱いやすく人気があります。

またこのような無垢の木材を扱うにはそれなりの技術が必要になります。

なによりプレカット全盛の時代です。

それゆえに使う機会が減ってしまい在庫となってしまっています。

 

当社では今も無垢の木材を仕入れて大工さんが墨付けをして、手刻み

して家づくりをしています。

写真は柱をカンナで仕上げているところです。

昔は木材はほぼ製材されただけの状態で入ってきました。

製材されただけの木材は鋸(のこぎり)で切断されるので鋸の跡が残

っていたり、柱の背割りが開くと断面が台形になったりしています。

そんな木材を手押しという機械にかけて木造りからしていました。

しかし今ではモルダーという機械を通して入って来るのでほぼ表面を

仕上げるだけで済むようになっています。

 

真壁(柱が見えている)の和室などは最近あまり造られなくなり

ましたが、化粧として見えるところは鉋をかけて木の表面を仕上

げることになっています。

鉋を掛けると木の表面が鏡面のようになり汚れが付きにくく、少し

くらいの水は弾くくらいになります。

 

昔は真壁の和室がある家はよく建てられました。

そんな家を新築するときは大工さんと一緒に材木屋さんに行って

柱を選びました。

柱はふつう節があるものですが、和室に節のある木は使えません。

そこでどこにどんな柱を使うかを選びます。

柱は節がない面が多いほど高価になります。

柱の選び方次第で材木代が大きく変わりました。

今ではそんな家づくりをしている工務店はないかもしれません。

 

柱に鉋を掛けている写真ですが、木口に「一ム三上」と書かれている

のが見えると思います。

これは一面が無地(節がない)、三面が上小(小さな節がある)という

表記です。

無地の面が多いほど高価になります。

この表記が柱を選ぶときの基準になっていました。

あまり太い柱を選ぶと削ってから節が出ることもありました。

今ではこの表記をしている柱自体が少なくなったと思います。

ほとんどが単純に「上小」という表記で売買されています。

 

先日「全国古民家再生協会の近畿地区大会」で亀岡城址にある

万祥殿というところで「太子講」の奉告祭に参加してきました。

聖徳太子が差金を手にしています。

 

 

 


「吉野の木を伝統技法で建てる工務店」輪和建設株式会社では、永く健やかな暮らしを求め、自然素材にこだわった奈良の木の家づくりをしています。
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