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2024.08.6

家づくりのこと

現場から

天井のあれやこれや

こんにちは!

中島です。

 

今日は天井についてのお話です。

 

天井にもいろんな種類があります。

今のお家で一番多く見かけるのがクロス仕上がりではないでしょうか?

弊社のお客さんでは和紙貼りを選択される事が多いです。

いちばんシンプルな天井ですね。

 

お次は羽目板貼りの底目天井

杉上小の白太 贅沢な天井ですね。

 

底目の羽目板というのはこんな加工がしてある板です。

木口から見てみましょう

雄実(オザネ)加工と雌実(メザネ)加工がしてあり

噛み合わせると底目地仕上がりになる板です。

 

こちらは床板、加工は本実(ホンザネ)

本実は底目地にならず、カチッと噛み合います。

 

平の天井だけでなく

勾配のついた天井や

両側に勾配のついた船底天井なんかもあります。

 

底目地の板の特徴として、木が伸縮する余裕があることがあげられます。

木は製材、加工されてからも生きています。

気温、湿度で縮んだり膨れたりするんですが、底目地がある事によって木にその余裕を与えられるというわけです。

 

その点考えられているもう一つの天井が竿縁(サオブチ)天井です。

こちらは柾目板の竿縁天井。

上品な天井ですね。

竿縁と呼ばれる木を通して上から幅広の板を少し重ねて貼っていきます。

その重なりが木の伸縮分の遊びの役割も担っています。

 

ちなみに重なる事によって生まれる三角形を

「松葉」や「イナゴ」と呼びます。

イナゴ天井なんて呼び方をする場合もあるみたいです。

 

バリエーションがいろいろあって個性の出る面白い天井です。

板目の板に竿縁は飾り面がとってあります。

 

隣の部屋では笹木(ササモク)と呼ばれる変わった杢目の板です。

細かく見ていくと面白いですよ。

 

和室に多い天井といえばもう一つ

目透かし天井と呼ばれる天井です。

幅広の一枚板を底目地で貼っていく天井です。

 

あとは二階のある古民家に多い大和天井

この板なかなか渋くてかっこいいです。

 

大和天井は二階の床板が一階の天井板になっている天井のことです。この天井で6分(約18mm)の板が使ってありました。半間とばすには心許ない厚みですが、畳下だったので問題無かったんでしょう。

リフォームで上から床を張ることになっているので下地をしたんですが、これがなかなか骨の折れる下地でした。笑

 

あとはこの中だと一番格式の高いとされる天井の格天井(ゴウテンジョウ)

格子組に特徴的な杢目の板を浮造りにして互い違いに貼ってあります。

 

前に床の間で折上げ格天井も見たんですが、写真撮り忘れました……

 

まだまだ種類がある天井の仕上がり。

種類の数だけこだわりがある。

注意深く見ていくと結構おもしろいですよ。

 

 


「吉野の木を伝統技法で建てる工務店」輪和建設株式会社では、永く健やかな暮らしを求め、自然素材にこだわった奈良の木の家づくりをしています。
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